腐敗した【信者】 ページ13
【信者】の心の臓がある辺りに深く刺さった短刀。
其れを抜き取り死んだ【信者】の服で拭う。
チラリと【信者】を一瞥して首を傾げた。
真っ白な装飾具を身に纏い、全身を白で固めた存在。
特徴的な金色の刺繍が施された其れからは何かの象徴であろうか、幼い少女が描かれていた。
『………アリス』
偽名と書類に描かれていた為、何かこの刺繍と関係があるのだろうか。
辺りに血の匂いが充満して来たのを確認してその場を去った。
あの【信者】に遭遇してからは一度も敵と遭遇しなかった。
食堂と浴室のあった一階には恐ろしいほど何もなく、生活感も一切感じられなかった。
食堂には埃が積もっていなかった為使ってはいたのであろうが、浴室は酷く汚れていた。
沢山の個室があった二階も全て回りきり、三階の大きな執務室と思しき所にも行った。
然し何れも何もなく、ただ埃が積もり血の匂いと何かの腐敗した匂いがするだけだった。
『＿＿＿＿此処が、最上階』
最上階である四階に到着。
此処に何もなければあとは望み薄な屋上だけ。
四階は他の階と構造が変わっていて、階段を登れば直ぐに大きな三米程の木製の扉があった。
西洋風の飾り付けの施された重いその扉を、ゆっくりと開く。
微かに隙間を開けた時、今迄嗅いだ事の無いような激臭がした。
あまりの臭いに反射的に手を離してしまい、大きな音を立てて扉が閉まる。
不味い、と思い扉から距離をとった。
拳銃を構え、何時でも相手を迎えられる様にする。
『＿＿＿＿来ない？』
不思議に思い、再び重い扉を開く。
再び臭ってくる腐敗臭に顔を顰め乍も扉を開けた。
『＿＿＿＿ッわ！』
「やば」そう言って口を塞いだ。
後ろを見ても人の気配はない。
安堵し悲鳴をあげた原因を見やる。
そこにいたのは白い衣装を赤い血で染め上げた“【信者】だった者”であった。
扉は重かったのは此奴が原因か。
無慈悲にその骸を蹴り飛ばし、扉の前から移動させる。
それから扉を目一杯解放した。
『＿＿＿＿＿＿は』
目の前の光景に口から溢れでたのは声にならない息であった。
それもそのはず、目の前の光景は地獄であった。
そこにあったのは死体。
一体、何体いるのであろう、【信者】の死体が積み重なり山を作っていた。
奥には神聖な彫刻があった。
恐らく聖堂か何かに値するのだろう。
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Cabby - 太宰さんカッコいいですよね！めっちゃ好きです (2019年10月30日 22時) (
レス) id: b937c10b42 (このIDを非表示/違反報告)
akane_朱音 - え、太宰さんかっこよすぎない…?好き() (2019年10月29日 21時) (レス) id: 307f7ba1f6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鸞宮子 瑩 | 作成日時：2019年10月29日 19時
