７日間の罠【あほの坂田。】

色 ページ8

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今日は、いつもに増してそわそわしていた


坂田さんが来る時間帯



昨日の夜は全然眠れなくて、午前中の大学の講義は見事にフルタイムで爆睡した


彼の一挙手一投足に左右されてる感じ


順調に坂田さんを好きになっていってる気がする





「―――はよ会計してくれん？」



ん？



「え、無視？」



え？いつの間に……？



「おーい」

『………』

「Aちゃん？」

『はい！』

「聞こえてんやったら初めから返事せえよ」




私があれやこれや考えてる間に、いつの間にか入店してサラダチキンをレジに持ってきていた坂田さん


ついに隠みの術まで備わったのかな

ハイスペックすぎる



そして途中からわざと聞こえてないふりした甲斐あって、彼の口から2度目の私の名前が聞けました




『今日は早めなんですね、そして今日もかっこいいです、パーフェクトフェイスです』

「あれ、髪染めた？」

『え！！？うそ！気付いてくれちゃうんですか！？』

「なんか腹立つから今の無し」

『なんでぇ！？』



まさか、坂田さんが気付いてくれると思わなかった


そう、私、今日午後美容室で髪を染めてもらったのだ


坂田さんの影響ってほど大げさじゃないけど、久しぶりに、気分転換も兼ねて




「で、なんでその色なん」

『あ、これ、この色お気に入りなんです』

「ふーん、なんで？」


興味無いのか、あるのか

よく分からない反応の坂田さん


でも彼が質問を重ねてくれるのは大変珍しいので、素直に答える単純な私です



『去年の春に、全っ然知らない人たちのライブに行ったんです、友達の付き添いで』

「へえ」

『最前だったのに、前の日レポートに追われたから究極の寝不足で、ライブの記憶は皆無なんですけど』

「うわひどいな」

『前世でどんな徳を積んだのか、その人たちの楽屋招待当てちゃったんですよね』

「それで？」

『唯一交流出来たメンバーの方が、すっっごくイケメンで！その人の髪の色が綺麗すぎて、ずっとやってみたかったんです』



あのグループ、名前なんだっけ


誘ってもらった手前、半分寝てて記憶無いですなんて友達には言えないし

チケットの半券もそのまま友達にあげちゃったし


イケメンだったなあ…………


あの人の名前も思い出せないや




「―――で、その色にしたと」

『そういうことです！』

「ええやん、似合ってるんちゃう、紫」



そうそう、綺麗な紫の髪色の人だっ、た………


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