紫の原石はSixTONESの紅一点 3 (ページ18)

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家族ページ18

樹：昨日の夜、ママが作ってくれたエビフライでさ

A：えー、いいなぁー

樹：なんでA、うちに呼んでないの？って言われたw

A：私も樹ママのエビフライ好きだもんw

大我：あ、今度いつ来る？って母さんが言ってた

A：ちょっと待って、スケジュール確認する！

今こうやって家族の話に入っていけるのは、メンバーのお母さん達のおかげだ

私の親は、私がバカレア組として少クラに出てた頃に亡くなった

撮影やレッスンがあって病院になかなか会いに行けなくて、今日はこのレッスンが終われば久しぶりに行ける！って日に、突然病院から電話がかかってきた

走って向かうと、メンバーの家族がベットの周りにいて、私が来たことに気付くと「Aちゃん来たよ！目を開けて！」という声がかかった

ベットまで行くと、お母さんはほんの少しだけ目を開けて、何かを伝えるように私の手を少し握って、そのまま目を閉じた

A：お・・かあさ・・目開けてよ・・ねぇ・・私の歌・・聞くんでしょ？・・ねぇ！

すこし前に父親も亡くなり、兄弟のいなかった私は、暗い世界に放り出された気がした

もちろん祖父母達はいたけれど、年老いてるし、田舎に住んでるから、1人で大丈夫だと見栄を張って頼らなかった

お母さんは元々体が弱かったから入院することも多かったし、1人なんて慣れてるから今までと何も変わらない、そう思ってたのに現実は全然違った

ふとした時に、こんなにも不安になるのか

アンチに叩かれた時に、こんなにも絶望を感じるのか

寂しくなると、こんなにも涙が止まらないのか

メンバーの親の話を少し耳に入れるだけで、こんなにもイライラして疎外感を感じるのか

初めて知った感覚だった

あぁ・・もうこのまま笑えなくなるのかな・・

そう思った時、

北斗：今日さ、夜、ご飯食べに行かない？

A：・・いいよ

北斗：じゃあさ、このお店に先に行ってて？雑誌のインタビュー受けてから行くからさ。松村って言えば入れるから

A：分かった

いつもなら、すぐに家に帰って引きこもるのに、なぜか今日は行こうかなって思った

A：すみません。松村で予約してるんですけれど・・

お店：お待ちしておりました。こちらへどうぞ

通された場所の扉を開くと、すでに人がいた