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卒業式。高校での3年間に終止符を打つ日。式自体はもう終わった。校庭で男バスメンバーが集まり、別れを惜しんだ。涙で目を真っ赤にした後輩を宥めていた俺だが、近くにいる女バスメンバーに目を止めた。
 近江(人1)が、泣きながら笑っていた。
 気がついた。もうチャンスが無いことに。今を逃したらもう会えない。
 仲間の群れからそっと離れて、女バス3年に簡単な事情を話して了解を得、近江を呼び出した。戸惑った表情の近江に、意を決して伝える。

「ごめんな」


 本人は意味不明といった顔をした。いきなり謝られたら誰でもそうだろう。だけど、彼女は何となくわかったのか、いえッ、あれは私が…、と下を向いた。
「違う。」
 近江の目を、見つめて。
「勘違いしてた。近江のこと、ただのファンだって。…受験とかバレンタインで溜めてたストレス、勝手にぶつけて。本当にごめん。」

 誠心誠意、本気で、頭を下げた。近江は、
「顔、上げて下さい。」
穏やかな声でそういった。
「好きなのが伝わったならいいんです。卒業おめでとうございます。」
 そんな近江を見ていると、申し訳ない気持ちと混ざって、ある気持ちが芽生えた。








「卒業おめでとうございます。」
 精一杯涙を堪えて言った一言に、先輩は何かを決意したような表情になった。
「近江、俺たぶん、近江のことが好きだ。」
 え…
「好きになった。近江のこと知れば知るほど。だから、」
 これは、1ヶ月前の返事?それとも…
「虫がいいのはわかってる。身勝手なのもこの前と矛盾しているのもわかってる。けど、俺は近江と一緒に居たいと思った。」
 堪えていた涙腺がぷつりと崩壊した。



「喜んで…」



 古賀先輩が卒業した日、私の2年間の恋はハッピーエンドを向かえた。







(リア友リク)

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設定タグ:オリジナル , 短編集 , バレンタイン   
作品ジャンル:恋愛, オリジナル作品
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いむさ(プロフ) - ミス來さん» …やっべ見つかった (2018年2月20日 16時) (レス) id: a3291003c9 (このIDを非表示/違反報告)
ミス來(プロフ) - ( ´∀`)bグッ! (2018年2月18日 18時) (レス) id: 157ad1c120 (このIDを非表示/違反報告)
り ょ う な な *(プロフ) - いむささん» そんなことないですよ!笑 受けとりました(*≧∀≦*)♪ (2018年2月15日 7時) (レス) id: 603ee3830c (このIDを非表示/違反報告)
いむさ(プロフ) - 自分で書いててキモい… (2018年2月14日 21時) (レス) id: 8f688191c3 (このIDを非表示/違反報告)
いむさ(プロフ) - どうぞ!私の愛(笑)を込めて… (2018年2月14日 21時) (レス) id: 8f688191c3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:いむさ | 作者ホームページ:   
作成日時:2018年2月11日 20時

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