俺たちの責任 ページ5
私は、ひたすら考えた。
kzのみんなと会わなくてすむ方法を。
学校では、翼と忍に会ってしまう。
それは、避けることができない。
あぁ、どうしよう!?
私は、ひたすら考えた。
でも・・・・浮かばない。
だから、ずぅっと考えてた。
勉強している時も、
ご飯を食べている時も、
登校中も、
学校についてからも、
....2人に話しかけられてる今もなお。
さぁ、っと冷たい汗が背中を伝う。
「ちょっと来てもらうだけだから」
「う、ん....」
しかたなくついていく。
あぁ、どうしよ、おこられるかなぁ!?
怒るよね、会議を途中で抜けだしたんだもん。
翼が、ふっと口を開く。
「あのさ・・・・」
うん、ごめんね、私が悪かった!
2人が頭を下げる。
は? へ!? え!?
「悪かった!!」
???
....どういうこと!?
「ごめんね、やり方が横暴だった」
「ん、しっかり事情を説明するべきだった」
え、いや、全然いいんだけど。
「あの、怒んないの?」
そう言った私に、2人はポカーンとする。
「怒る・・・・?」
翼ははぁ、と息を吐く。
「あのね、これは俺たちの責任なんだ」
はぁ・・・・。
「俺たちがもっと冷静な対応を取り、アーヤに聞くまでもなく無罪がわかる証拠を掴めばよかった」
あぁ、たしかに....?
でも、証拠を探すより、私に聞いた方が早かったんじゃ?
「あのね、アーヤはkzメンバーを大切に思ってるでしょ?」
翼の問いに、私はぶんぶんと頭を縦に振る。
「だったら、本人を一番傷つけない方法で、事をすませたくない?」
あ・・・・確かに。
なんだ、そういうこと。
「そのことだったら、気にしなくていいよ。私は平気」
そう言い残し、私はその場を去った。
教室のドアの前には、小田さんが立っていた。
「お前、まだ王子様たちと絡む気!?」
あ、うん。
もう、何も怖くないし。
「まぁいい。お前、放課後、理科準備室に来い」
「....わかった」
あぁ、こわい。
でも、kzのみんなかいる。
いじめられてる事を知らなくても。
皆が笑いかけてくれる。
だから、きっと。
きっと、だいじょうぶ。
55人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「探偵チームKZ事件ノート」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆうな - すごく面白かったです探偵チームの信頼がグッド詰まっているお話でした (2021年8月20日 0時) (レス) id: 9c262f26ff (このIDを非表示/違反報告)
#モモ# - 次の作品も楽しみにしてます! (2021年8月16日 21時) (レス) id: a8579e89ad (このIDを非表示/違反報告)
おれんじ - お疲れ様です (2020年4月9日 18時) (レス) id: c350fd39bf (このIDを非表示/違反報告)
(〃ω〃) - 俺たちの、大切な大切な天使なんです(上杉)(〃ω〃) (2019年8月20日 19時) (レス) id: 3d3f2d0827 (このIDを非表示/違反報告)
上杉 亜沙美 - とても良いお話でした。 (2019年8月9日 10時) (レス) id: eea7cb4a8f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:結花@Project KZ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/santsuguji2/
作成日時:2019年3月29日 19時