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SOS、発信 ページ24

「おはよ、アーヤ」

玄関で、小塚君の声がする。

あぁ、もうそんな時間か、急ご。

「ごめんね、おまたせ」

ドアを開けながら言うと、そこには小塚君と忍がいた。

「じゃあ、いこっか」
「ん、楽しみだな!」




場所は、ハイスペックらしい。

4塾が集まれるだけあって、とても広い。
あぁ、素敵な場所っ!

ササッとロビーに入り、会場まで行く。
その時だった。

「あ!俺、ふで箱忘れた!」

え、大変じゃん!

「どうする?あ、僕何本か持ってるよ、貸そうか?」

小塚君の心配そうな声に、忍が答える。

「いや、大丈夫。俺、一回取りに帰るよ」

じゃ、と言いながらさっと後ろを向き、そのまま帰っていく。

「七鬼、だいじょうぶかなぁ、あと20分しかないよ?」

え、大丈夫?それ。

「じゃ、僕らは先に行こう」

うん。でも、その前にお手洗い、行っておきたいかも。
途中で行きたくなったら嫌だし。

「ちょっと、お手洗い行かせて」

「うん!待ってる?ついて行った方がいい?」

大丈夫だよ、そんぐらい1人で。

「んーん、1人で大丈夫!」



トイレの近くは、ものすごぉく混んでいた。
まさに、人の海っ!

私は、それの一番後ろに着いた。
でもなお、人はどんどん増えていき、私の周りは囲われてゆく。

え、まって、なんでこんなに混んでるの。
・・・・って、あたりまえだよねぇ、4塾合同なんだもの。

そんなことを考えていた時だった。

「っ!?」

誰かに引っ張られる感覚がする。

だめだ、固まってちゃダメ。
動かなくちゃ。

叫ぶんだ。

助けてって。
放してって。

のどから声が出ない。
体に力が入らない。

そのまま、誰かに引っ張られてしまう。

やめて、怖いよ。
ねぇ、お願い。

そんな私の願いもむなしく、お手洗いの隣の小さな部屋に連れ込まれた。

腕も引いていた人は、金髪の女の子だった。

私はどうしようもないぐらい怖くなって、その場にペタリ、と座り込んでしまう。

動け。

動かないと。

いくら自分に言い聞かせても、体が全く動こうとしてくれない。

そんな私の思いを知ってか知らずか、女の子は、私に一歩ずつ近づいてくる。
その子の手には、鈍器があった。

その子は、鈍器を振り上げて....。

ガンッっと強く叩かれるような衝撃。



あぁ....いたい....たす....けて........。

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ゆうな - すごく面白かったです探偵チームの信頼がグッド詰まっているお話でした (2021年8月20日 0時) (レス) id: 9c262f26ff (このIDを非表示/違反報告)
#モモ# - 次の作品も楽しみにしてます! (2021年8月16日 21時) (レス) id: a8579e89ad (このIDを非表示/違反報告)
おれんじ - お疲れ様です (2020年4月9日 18時) (レス) id: c350fd39bf (このIDを非表示/違反報告)
(〃ω〃) - 俺たちの、大切な大切な天使なんです(上杉)(〃ω〃) (2019年8月20日 19時) (レス) id: 3d3f2d0827 (このIDを非表示/違反報告)
上杉 亜沙美 - とても良いお話でした。 (2019年8月9日 10時) (レス) id: eea7cb4a8f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:結花@Project KZ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/santsuguji2/  
作成日時:2019年3月29日 19時

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