勘違い7つ ページ9
一般の選別を受ける子達の目になるべく入らないように木の上や幹を伝って駆け回った。
ここには基本的に弱い鬼しか居ないけれど何事にも例外はあって、時折何十人も喰った鬼が潜んでいたりする。
鬼の気配の感じ…見たところ今回は2、3体くらい強めの鬼が居るようだ。
取り留めもなく思考していると、数メートル先から大きな鬼の気配と、誰かが交戦している気配がした。
私は上空で身を翻し交戦している少年の斜め後ろに華麗に着地した。
確か彼は嘴平伊之助。調査書にはただ一言『野生児』としか書いていなかったため、本当にそうとしか言いようがなかったのだとおもう。
ギザ刃の二刀流で単細胞そうな戦い方をしている。荒削りではあるけれど、鍛えればどんどん良くなる伸び代があるように思える。
猪くんは音もなく着地した私を視界に入れることなく気付けたようで「ガキはあっちいってろ!弱味噌が!」と怒鳴られた。
ハァンガキと来ましたか。一応多分貴方とそう変わらない歳なんですけどね
『年上は敬えって習いませんでしたぁ?まぁそんな学があるとは思ってませんけどぉ〜』
…なんかもうごめんね?バカにしてる訳じゃないのさ。その単純な脳筋パワープレイが君の長所でもあるんだ。
『貴方じゃその鬼斬れませんよぉ?その鬼まぁまぁ強いやつなんで貴方みたいな格の違いも分からない"弱味噌"には倒せませぇん♪さっさと選手交代しましょ?(特別意訳:新人の貴方にその鬼は斬れないので私に任せてください)』
「なにっ…!なんだこのガキ!この俺様が弱味噌だとぉ!?」
彼のボキャブラリー貧困過ぎんか?さっきからガキとしか罵倒されてないんだけども。
彼が余所見した瞬間鬼が長い舌を鞭のように振り、彼を大木へと叩きつける。
「ぐっ…!ちくしょうテメェが気をそらすからっ!」
『はいはぁいお静かに♪』
私はとりあえずの応急処置として適当に包帯をグル巻きにして身動きしにくくした。まぁどちらにせよあれだけ派手に吹っ飛ばされれば暫くは動けないだろうけど。
『さぁてうるさい猪さんが静かにしている間にさくっと終わらせちゃいますねぇ?』
「小娘が!!その細腕で俺様に何が出来る!まぁいい、貴様稀血だな?喰らって更に強くなってやる!ガハハ!」
『わぁ、貴方喋れるんですね!見た目に違わず気持ちわるぅい!』
こう言いながら私は小さく震えている。武者震い?いいえただのビビりです。
お仕事とはいえやっぱり生理的に無理なものは無理です!!
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エナ(プロフ) - 腹黒やばないがツボった (2019年9月15日 12時) (レス) id: 11aae5328b (このIDを非表示/違反報告)
さんまるてぃん(プロフ) - アリアナさん» お返事遅れてすみません!時透くんですね、了解です! (2019年9月4日 15時) (レス) id: c51e84ebb6 (このIDを非表示/違反報告)
アリアナ - もし良ければ番外編とかで時透くんとの絡みがあったらうれしいです。 (2019年9月2日 22時) (レス) id: 99796aaed6 (このIDを非表示/違反報告)
さんまるてぃん(プロフ) - 無気力みかんさん» 乙音ちゃん良いですよね…ツンデレの師として崇めてます (2019年8月27日 20時) (レス) id: c51e84ebb6 (このIDを非表示/違反報告)
無気力みかん(プロフ) - お、乙音ちゃんみたいだ………萌え (2019年8月26日 18時) (レス) id: d571eebd63 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さんまるてぃん | 作成日時:2019年8月19日 13時