コミュ障の鬼殺隊士は誤解と冷や汗を撒き散らしながら今日も往く。 (ページ36)

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勘違い32個ページ36

実の所めちゃくちゃ怖いので震えが手の方に3割ずつくらい来ているが幸い隊服の袖が長くフリルでかさも誤魔化されているのでバレないと思う。

私結構恐怖が手に来るタイプなんですよね。だからこそこういう隊服をお願いしたんですけど。

はぁぁぁやだなぁ私もんのすごく鬼怖いんですよ。

デカいしキモいし生理的に無理だし稀血だなんだって狙ってくるし。怖い。怖すぎる。無理みの極み。

しかしここでどういう心変わりなのか善逸が何か決心を決めたような顔をして「やっぱり俺も行く…」と梅干しを3個口にほおりこんだみたいな顔で言った。

「俺めちゃめちゃ弱いけどなんとか身を呈してでもAちゃんは守るから…！」

と泣きそうな顔で膝を震わせながら善逸が言った。

あっ私この人に隠し事出来ないんでした…一生の不覚。というか貴方の方がめちゃめちゃ怖がっているじゃないですか。

『べべべ、別に怖がってませんけどぉ？！勘違いしないでくれますぅ？！』

半ギレで一応言ってはみたものの2人は完全にお察し…みたいな顔でこちらを見つめてくる。

こんなことになるくらいならまだ般若のような顔で見られる方がまし…いや、あの顔の炭治郎くんはマジ怖かった。やっぱり嫌です。訂正します。

炭治郎くんは兄妹のもとにすっとしゃがんで背中に背負っていた箱を彼らの目の前へ置いた。

「もしもの時のためにこの箱を置いていく。何かあっても2人を守ってくれるから…」

そう言って踵を返し、怯えてぐすぐす泣く善逸とすまし顔でビビり散らかす私を率いて屋敷の中へと歩を進めた。

いやほんとごめんね…もっとしっかりしたいんだけど怖いものは怖いんだわ…なんかこれさっき善逸も言ってたけどさ。

屋敷の中は薄暗くほんのり生暖かい湿った空気が漂っていていかにも出そうな場所だった。

もぅﾏﾁﾞ無理……鬼も無理だけどマジモンの幽霊とか出たらどうすんですか…。

正直怖くて吐きそう。吐きませんけども。