三角形。【Ryosuke × Kei】

３７＿Kei ページ37

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慧『………断った』







『え…どうして？』







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慧『どうして、って………』








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言葉が出なくて、思わず下を向く。







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そんな俺たちを気にせずに、滑り台やブランコなど、

子どもたちが思い思いに遊ぶ夕方の公園。







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『奈菜の、どこが気に入らないの？』








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Aちゃんの友だちに好きって

言われたのは、昨日の夜。







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俺の家の前で立ってるのを見つけて、

なぜかそっから２人で散歩して。







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慧『別に、気に入らない訳じゃないけど』







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『じゃあなんで…、』







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こんな話をするために、イブに２人でいる訳じゃない。







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もっと、大切なことを伝えに来たのに…







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”伊野尾くんのことが、………好きです”







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どこかの少女漫画のように、顔を真っ赤にして

気持ちを伝えてきた時は、正直びっくりした。







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”え………俺？”







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家で会ったのは、………偶然じゃない？







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”付き合ってください”







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こんな言葉をこの子のように素直に言えていたら、

俺はどれだけ楽になれるんだろう、って。







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自分に好意を抱いてくれている子が目の前にいるのに、







そんなことを考えていた。







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『奈菜はね、真剣に伊野尾くんのこと考えてるんだよ』







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慧『………』







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そんなの、俺だって同じだし。







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