それでは、また明日(緑)

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私が奢るって言ったのに
頑なに割り勘で、と突っぱねる課長。
奢られるの嫌なのかな。


私はただでさえ年下に出してもらうのが苦手なのに。(いくら役職が向こうが上とはいえ)


この前と同じ店。
多分この前と同じ席。

今日のオススメに龍月の文字を見て
テンションダダ上がりになった。



『あ、もしかして課長十四代好きじゃないですか？』


「いえ、プレミアム酒は余り飲んだこと無くて。Aさん詳しいですよね」


『まあ、酒が趣味みたいなもので』



しまった。
つまんない人生送ってるとか思われたかな。


「僕は質より量みたいなとこもあるんで」



『お酒強そうですもんね』



「ははっ。Aさんよりは強いと思いますよ」




龍月の1杯目を呑んで
高いけど滅多に呑めないからと2杯目も頼んだ。




覚えているのはここまでだった。







…。




………。




あれ？ここどこ？？

見たことない家の壁と天井。



隣に………



『…ええっ、か、課長？！？』




「………おはようございます……Aさん……」




最初課長って気づかなかったのは
前髪が降りていてメガネを掛けていなかったから。



ちょっと待って！！！

記憶無い！！！！

でも、ベッドに課長と並んで寝てた。
しかも課長の腕はしっかり私を抱いていた。







『あ、の、つかぬ事をお聞きしますが』



「ん、なんですか…」



『ここどこですか？』



「…僕の家ですよ」



『…………課長の家』


「あの、まさかとは思いますが。覚えてへんのですか？」


『……2杯目呑んたのは、はっきり覚えてます』



「……嘘やろ」



頭を抱える課長。

思い出せ私。
昨日の事…。



ほんのり、抱き合った感覚は覚えてるのに。


「…ホンマに覚えてへんのですか」




『ぼんやりと覚えてるぐらいなんですが』




「Aさん」




『…はい』



「記憶無くなるまで呑むとかホンマに辞めてください」



『すみません』



「僕やったから良かったものの、世の中良い人ばかりじゃないですからね」



『…でも私と課長したんですよね？』



「…それは…そうなんですけど！ちゃんと避妊もしましたよ！！！」



課長は
ゴソゴソと布団の中から
服を見つけ出し着替えてベッドを出た。



「Aさんの服です」




『すみません』




寝室から出ていってしまい
1人残された私は服を着てスマホを探す。


カバンがない。

私は寝室を出た。

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