それでは、また明日(緑)

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「呑まへんの？」



『うん』



「なんで？」



『彼氏と約束したんだ。彼氏の前以外じゃ呑まないって』



「1杯呑んだやん」



『それは、まあ、その』



「弱いな(笑)」



『だって、美味しそうだったんだもん…』




「ははっ。そうゆうとこやで。Aちゃんのアカンとこ」



『…』



「それにしてもAちゃんの彼氏賢いな。Aちゃんの悪酔い知ってるからの防衛策講じてきて」


『……』



「そやねんけど、俺かて引く気サラサラ無いし」



『亮ちゃん』



「俺とは会わへん！ってなるまで諦めへんよ」



『亮ちゃん、でも、私』



「帰したないねん」



『ごめん』



「…」



『もう亮ちゃんとは会わないよ』



「…そっか。ならしゃーないな」



『アッサリ過ぎる(笑)』



「どっちやねん(笑)」



『嘘嘘、もう会いません』


「はいはい」


『でも、ホントありがとうね』


「別に何もしてへんけど？」


と、諦めてくれた亮ちゃんとレストランを出て
1階のフロアを歩いている時だった。





「…どないした？」




『……課長』




それは
ホテルのラウンジのカフェで
綺麗な女の人とお茶してる課長だった。



向こうは私に気づかない。

どんな話をしているのか
ここからは聞き取れなかった。


「Aちゃん？」



『…』



どうしよう。
見なかった事にしてこのまま帰る？

でも、声を掛けるのも違う気がする。



『亮ちゃん、行こう』


「…ん」



私は見なかった事にしてホテルを出た。


「Aさん！」


『課長…』


遠くから課長の声がする。
1人で走ってこっちに向かって来る。


「Aさん、どうしたんすか、ここで？」



『…あの』



「俺とデートしてたんすけど？」



「…」



『亮ちゃん！』



「りょうちゃん？」



『…違うんです、課長』



「違わへんやん。俺と上のレストランで食事してたやん」



「…」


『ご飯は食べたけど』


「Aさん、あの僕状況が理解出来ひんのですけど？」



『ちゃんと説明しますから』



「俺、Aちゃんのこと好きやで？」



「……は？」



まさかの亮ちゃん。
なんてこと言うの？？



「今日も口説いてたんやけど」


『ちゃんと断りました』


「でも諦めへんから」





「Aさん」


『はい』


「帰りましょう」



と、私の手を掴んで歩き出す。



「ちょっと待てや」



と、そこに亮ちゃんが私の手を掴んだ。

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