それでは、また明日(緑)

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「おはよう」



『…はよございます』


亮ちゃんはもう服を着替えていて
タバコをふかしながら
朝の情報番組なんて見ている。





「その様子やと覚えてへんのやな」



『…はい』




「もお、ほっとかれへんなぁAちゃん」


『はは…』


「また会いたいから誘ってええ？」



『…ま、まあ』



「会社間に合う？」


時計を見た。時間ギリギリだった。


『やば！行かなきゃ！亮ちゃん。お金』


私は1万円札を渡すと
素直に受け取ってくれて助かったと思った。

「出ようか」


急いで支度して
何とか滑り込みセーフ。

村上がどしたんや、と笑う。

『ちょっと寝坊して』


「ふーん」


『何その意味ありげな』



「別に」



火曜の朝
髪の毛をまとめて朝礼に出る。

大倉課長、全然目を合わせてくれないし
こりゃ嫌われたの確定だね。

課長にハンコ貰わなきゃいけない決済書類。

『課長、ハンコ…お願いします』


「……」


無言でぽんと印鑑押されて。
いやあ、キッついなあ(笑)

そりゃそうか。
期待だけさせちゃったんだもんね。

酔っ払わずにちゃんと話したり
普通のデートしたら良かったのかな。

なんでやっちゃったんだよおおお、
私のバカバカ！


そしたら、帰りに課長に誘われて
築地駅前のスタバに入る。


コーヒーを頼んだ課長。
私はラテのホットを頼んだ。






「僕はAさんが好きです。付き合ってください」



『え』



「順番は、その、違うかもしれないんですが。付き合って欲しいって思ったんです」



『…』



「駄目……ですか？」



『あの、なんていうか、あんな失態だらけでしたけど？良いんですか？』


「失態…？」


『酔っ払って記憶失くして、その、』


「僕の前で失くすんは大丈夫ですよ」


『…』


「他の人の前で酔っ払って記憶失くされたら心配ですけど」


『へえ…』


「あの、駄目ですか？」


『あの、私38歳ですけど良いんですか？』


「え、僕35ですけど。みっつしか違わないやないですか」


そう！そこもちゃんと確認しなきゃ！
アラフォー目前なんだからっ。


「駄目ですか？」


『いえ、私で良いんだってびっくりしてて』


「良いですよ！凄い好きですよ僕」



顔が真っ赤になって
アタフタし始める課長。

かわいいな。


…亮ちゃんの事が頭を少し過ぎった。


…まあいっか。付き合おうとか言われた訳でも無いし。

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