4年間(橙)

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車が家の前で止まった。




「隆平くん、この辺かな？着いたよ」




丸「…ありがとう…ざいます…お疲れ様です…」




「ちょ、大丈夫？歩ける？？」




丸「…だいじょうぶれす…」




「あかんがね。ちょっと玄関まで送るで」




丸「いやいや…わるいねんかぁ…ここでええです…」




「もう。飲み過ぎだか。しっかりしやぁ」




アパートの１階の玄関まで
Aさんに引っ張ってもらって。

もう意識は、途切れ途切れ。



「隆平くん、家の鍵どこ？？」



丸「…カバンのなか…に…」





「ごめん、カバンあけるよ」






Aさんが家の鍵をあけた。



ガチャ。




…真っ暗。


…そらそーやな。電気つけな。


…あかん、手が届かんわ。



玄関に仰向けに寝転んで天井を見上げる。





「ちょ、隆平くん、ここで寝たらあかんがね。起きて」





バタンと玄関のドアが閉まった音がした。





俺の中で何かが弾けた。





俺の両腕を引っ張って



起こそうと頑張ってたAさんを



ぐいっと引っ張った。





仰向けに寝とる俺の上に




Aさんが倒れ込む。




そのまんまAさんをぎゅっとだきしめた。





「…りゅ、隆平くん…」





「…Aさん」






「…離して」






「いやです」





「隆平くん、酔ってるでしょ…離して」






「酔うて無かったらええんですか？」






「…だめ」






「…じゃ…離しません」





腕のちからを強めた。





「隆平くん、お願い…離して…」

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