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離れて始めて気づく色んなこと。それでも、現代にLINE電話やSkypeがあって良かったと思った。国際電話なら、お金を気にしてこんなに頻繁に連絡してない。ネットの無料電話を開発した人に感謝。感謝。感謝。
「ついに、明日だね」
「もう今日疲れたぁ」
「お疲れ様」
「みんなに引き止められたよ、潤って呼ばれまくった」
6月の発音でしょ？って言ったら笑われた。
「半年、長かったね」
「そろそろ食の限界。和食が食いたい」
「明日食べれるよ」
「あーそうそう、明日13時の便で帰ってくるから」
「また13時？(笑)」
迎えに来てよ、と潤は言った。
驚いたけど、それを口にはしなかった。
「わかった」
「明日休み？」
「休み」
「俺も休み」
それは、お互いとことん飲めるね。そんな意味合いを含んだ会話だった。
12時。13時に空港に着くように、準備をした。いつもは気にしなかったファッションを気にするようになったのは、それのせいだ。玄関で靴を選ぶ。夏だし、ちょっとヒールのあるサンダルにした。
玄関のドアを開けると、ガン！と音がした。
えっ、人が通ってるとこにぶつけちゃった？
ごめんなさい！と言いながら、ドアから覗き込むと
「ただいま」
髪型が変わってる潤が目の前に居た。
「えっ？なんで」
「13時の便って言っておけば、この時間くらいに家出てくるかなと思って」
「え？」
「10時半の便で帰ってきた」
色んなことを理解する。
すると、潤がギューッと抱きしめてきたから、また頭の中がぐちゃぐちゃになった。
「俺ずっとAのこと好きだったんだけどさ」
、、、。今すごく都合のいいことが聞こえたんだけど。
え？それにしては、サラッと言ったような。
「お前のこと、元カレの前から手引っ張って連れて帰った時くらいから好きだったんだけどさ」
「…」
「そん時は思わなかったんだけど、今思うことがあるんだよね」
「…」
「A、俺のこと好きでしょ」
潤が私の体を離して、顔を見てくる。
「ねぇ、好きでしょ」
「…」
「…」
「…うん、好き」
潤は柔らかく微笑んで、またギューッと抱きしめてきた。
体を離すと私の手を引いて、中でドアを閉めた。ドアに壁ドン状態で、私は頭上にある潤の目を見た。それは、私の唇に向かって落ちてきた。
「会いたかった」
25年間付き合ってきて、初めて見た表情だった。それは、溶けそうで甘い甘いキスだった。
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さんご(プロフ) - しおりさん» はじめまして、しおりさん。コメントありがとうございます。そんなこと言って頂けるなんて、もう嬉しい限りです(笑)こちらこそありがとうございます(´ω｀) (2019年9月21日 12時) (
レス) id: e1b1cf4c3f (このIDを非表示/違反報告)
しおり(プロフ) - はじめまして。どのお話も優しくて、心が温かくなりました。さんごさんの丁寧な言葉の紡ぎかた大好きです。多分何度も読みに来ちゃうやつだ(^^)ありがとうございます。 (2019年9月21日 7時) (レス) id: 072c120661 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さんご | 作成日時：2019年8月15日 16時
