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じ…っと。透き通った瞳が、私を見つめた。吸い込まれそうだった。吸い込まれたのかもしれない。私はいつの間にか、後ろのベッドで彼から見下ろされてた。
ゲームはとっくにゲームオーバーになってる。音なんてもう聞こえなくなった。知らなかった。二宮くんが消したらしい。
キス、されると思った。だって、見下ろされてるし、こんなのドラマならそれが始まる合図だ。
なのに二宮くんは、私を抱き起こして、ぎゅっと…抱きしめた。
それは、彼からの愛情がよく分かるもので、幸せ…って口から漏れた気がする。何も反応がないから、漏れてないみたいだけど。
「焦らしすぎじゃない？」
「え？」
「今度ねって言われてから、もう1ヶ月も経ってるんですけど」
「それは…ごめん」
「アハハ！ガチで謝ってもらう気はなかったんだけど」
私も思わず笑ったら、それを止めるように、唇に触れるだけの長い長いキスが降ってきた。
ビックリして目を開けてたら、彼も薄く目を開けてた。長い長いキスは、少し音を立てて離れた。
私の反応を、面白そうに見る顔が目の前にある。恥ずかしくて一瞬目を逸らした。でも、また目が合うと、彼の表情はもう変わってて。唇の端がゆっくり上がった。
初めて見た彼の表情に、私は何度も苦しくなった。彼のキスは、だんだん深くなって、気持ちも体も着いていくのに必死で。
終わった後にはもう、ほとんど記憶になかった。
「二宮くんも、爆弾落とすの好きじゃない？」
「え？こっちのセリフなんだけど」
「え？」
2人で笑い合った。優しい彼の表情が愛おしい。
「二宮くん」
「ん？」
「どうしよう」
「え？」
彼は、本気で心配してるような目をしてる。面白い。
「二宮くんのこと、大好きすぎて」
「…」
「どうしよう」
二宮くんはそれを聞いて、下を向いて鼻で笑った。そしてまた、長くて深いキスが降ってきた。本気で苦しい。
…どうしよう、大好きすぎて本当にどうしよう……。
本気で考えてたら、唇が離れた。甘い息が漏れた彼と目が合う。
「どうしようね」
「…」
「でも多分、Aよりオレのがお前のこと好きだと思うよ」
また、唇の端がゆっくり上がった。今度は目尻もゆっくり下がった。
その瞳は、とっても優しいものだった。
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さんご(プロフ) - しおりさん» はじめまして、しおりさん。コメントありがとうございます。そんなこと言って頂けるなんて、もう嬉しい限りです(笑)こちらこそありがとうございます(´ω｀) (2019年9月21日 12時) (
レス) id: e1b1cf4c3f (このIDを非表示/違反報告)
しおり(プロフ) - はじめまして。どのお話も優しくて、心が温かくなりました。さんごさんの丁寧な言葉の紡ぎかた大好きです。多分何度も読みに来ちゃうやつだ(^^)ありがとうございます。 (2019年9月21日 7時) (レス) id: 072c120661 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さんご | 作成日時：2019年8月15日 16時
