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「はぁー！うまかったー！」
「美味しかったね」
「チーズケーキ久々に食べたけど、やっぱうまいわ」
お店から出て、そんな話をしてたけど少し沈黙が流れて。
...あれ、気まずくなかったのにな。この沈黙がすごく気まずく感じる。
「これからどうする？なんか予定ある？」
「んー...予定はないよ？」
「じゃあ、ここの近所に服屋さんがあるんだけど、そこで買いたいものあるから寄ってもいい？」
断る理由もないから頷いた。
今日は晴天で、マフラーなんかいらないって思ってたけど、マフラーが恋しくなるくらい肌寒い。
その服屋さんは、私も好きなブランドだった。ついでにマフラー見ようかな、なんて。
「何が欲しいの？」
「コート」
「おーこれから寒くなるもんね。翔くんロングコートとか似合いそう」
「え、ホントに？」
「うん、何で？(笑)」
え、ホントに？の顔が本当に驚いてる顔だった。
「いや俺あんま似合わないと思ってたから買ってなかったの」
「あー確かに着てるところ見ないね」
「でしょ？」
ロングコートのコーナーに行くと、新着からセール品まで置いてあった。
「紺とかは？似合うと思うよ」
元々のジャケットを脱いで、勧めたコートを羽織った翔くんは、思ってたよりも似合っていて。細身のジーンズを履いているからか、更にコートが映えて見える。
「似合う！」
「マジ？」
鏡見てくるくるしてる翔くんを見てるのが面白い。値札を見て、おっセールじゃん。と呟いた翔くんは、じゃあ買うわと即決だった。
「え、そんなに早く決めていいの？」
「うん、だって似合うんでしょ？」
「似合う」
「なら決定」
彼は元々着てたジャケットをまた羽織って、手にコートを抱えた。
「Aちゃんも、なんか服見る？」
「うん、マフラー見たい」
マフラーコーナーを探して2人ウロウロする。見つけてそこに行くと、タータンチェックのマフラーが色違いで5種類並んでた。
「女の子はやっぱ、赤じゃない？」
「赤って、若い子のイメージない？」
「俺らまだ大学生よ？学生よ？(笑)」
「いやなんかほら、JKブランドな感じがするの(笑)」
いーじゃん巻いてみろって！と、強引に赤いマフラーを巻かれた。咄嗟に巻かれたもんだから、なんか...息を止めてしまった。
「似合うじゃん、ほら」
翔くんは、マフラーが乗ってる台の上にあった、卓上鏡を私の方に向けた。
マフラーの巻き方が、私の巻き方じゃなかったことに、なぜか胸が音をたてた。
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さんご(プロフ) - しおりさん» はじめまして、しおりさん。コメントありがとうございます。そんなこと言って頂けるなんて、もう嬉しい限りです(笑)こちらこそありがとうございます(´ω｀) (2019年9月21日 12時) (
レス) id: e1b1cf4c3f (このIDを非表示/違反報告)
しおり(プロフ) - はじめまして。どのお話も優しくて、心が温かくなりました。さんごさんの丁寧な言葉の紡ぎかた大好きです。多分何度も読みに来ちゃうやつだ(^^)ありがとうございます。 (2019年9月21日 7時) (レス) id: 072c120661 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さんご | 作成日時：2019年8月15日 16時
