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「でもね、臨時休業だったの」
「アハッ！それは残念だったね」
最大限のくしゃくしゃの笑顔で笑う。そんなに面白い話だったかな？って思う話も、お腹を抱えて笑ってくれる。
「なんて言うお店？」
「えーっとね、ここ」
スマホで検索して、画面を見せた。
「あーここ！知ってるよ、俺行ったことある」
「行ったことあるの？」
「うん、それも男3人で」
「アハッ、スイーツ男子だね」
道が明るくなってきて、駅が見えてきた。
サラリーマンの行列がバス停の前にできてる。
今日、遅延でもしてたっけ。
「あー画像見ただけで口がチーズケーキになっちゃった」
「フフッ、じゃあ翔くんも行く？」
「え、いいの？」
「うん、食べたいなら」
嬉しそうに笑って、行く！と言った彼だったけど、次の瞬間困った笑顔になった。
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「おっす」
私の最寄り駅に現れた翔くんは、薄手のジャケットと細身のジーンズ姿。
脚長いなー。スタイルいいなー。なんでこの人に彼女がいないんだろう。
「何分の電車？」
「あと3分で来るよ」
丁度その場所に向かう乗換駅が、私の最寄り駅だったから待ち合わせもそこでってことになった。
「今日、なんか可愛くない？」
「うん、スイーツ食べに行くから気合い入れた」
「アハッ！スイーツ食べに行くのに気合いなんかあるの」
電車が勢いよくホームに入ってきて、ロングスカートがめくれそうになった。
おー危ない危ない、って冷静な声でスカートの裾を持ったら「そこは、キャッ！とか言うんじゃないの？」と笑われた。
「そこで可愛い声出さないのが、お前らしいわ」
「何それ、バカにしてるでしょ(笑)」
ラッシュ時じゃないからか、席は意外と空いてる。
私を隅っこに座らせるように、彼は端から一つ空けて隣に座った。
「でもさ、翔くんが好きな子ってめっちゃ可愛らしそうだよね」
「なんでそうなるの」
「だって、キャッ！を言わないって指摘するんだもん」
「根に持ってんのかよ(笑)」
翔くんとは、話が途切れなくて心地いい。たとえ途切れたとしても、無理に話を出そうとしなくてもいい。
「翔くんって、外見と違って中身女子だよね」
「それ他の奴らにも言われた」
「アハッ、やっぱり？」
目的地に到着するまでの時間は、彼のおかげで前回行った時よりも短く思えた。
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さんご(プロフ) - しおりさん» はじめまして、しおりさん。コメントありがとうございます。そんなこと言って頂けるなんて、もう嬉しい限りです(笑)こちらこそありがとうございます(´ω｀) (2019年9月21日 12時) (
レス) id: e1b1cf4c3f (このIDを非表示/違反報告)
しおり(プロフ) - はじめまして。どのお話も優しくて、心が温かくなりました。さんごさんの丁寧な言葉の紡ぎかた大好きです。多分何度も読みに来ちゃうやつだ(^^)ありがとうございます。 (2019年9月21日 7時) (レス) id: 072c120661 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さんご | 作成日時：2019年8月15日 16時
