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でも、唯一カッコイイからずっと眺めていたいと思う時がある。潤が料理をしてる時。
だから私は潤についていって、キッチンに並んで立つ。私は潤の料理が好きだけど、潤は私の料理の方が好きだと言う。お互い料理をするのは苦じゃないし、むしろ好きで。
私はいつも潤の隣で、おー素晴らしい手つき！！おー素晴らしい包丁さばき！！おー素晴らしい焼き加減！！おー素晴らしい料理！！とふざけて褒める。そしたら潤が、テキトーなことしか言ってねぇ！と笑う。
「できた」
「早く食べよ」
出来上がったパスタを頬張って、あーうまかったー、と呟くと潤は帰って行った。
それが私と潤の日課。お互いに相手がいれば、一緒に飲むことは少なくなる。でも今はお互い付き合ってる相手はいないから、こんなに頻繁になってる。
もちろん、2人で毎日は飲まない。お互い飲むのは好きだし、私も潤も時々別の友達と飲みに行く。
私の友達も、潤の友達も、結婚してる人が多くなった。
会社でも聞かれる。結婚しないの？と。それはセクハラじゃないのかい？と思いながらスルーしている。
女への質問はいつもそんなことばっかだな、と思いながら家に着くと、玄関の前に潤がいた。
「あれ？早いね」
「うん、ちょっと話したいことあってさ」
話したいこと？と訊きながら、私は鍵を開けた。
「何飲む？」
「ビール」
「だよね」
お互い上着を脱いで、定位置につくと、プシュッとプルタブを起こした潤は、長期出張でさ。と切り出す。
「長期出張？」
「うん、長期出張でイタリアに半年行かなきゃならなくなった」
「い、たりあ？」
あぁ、うめぇ。とひとりごとのように呟く潤。
「イ、イタリア、、(笑)」
「何笑ってんの」
「だって、イタリアって、、(笑)」
「…」
「めっちゃ似合う」
潤は呆れたように笑った。
「え、いつから？」
「明日から」
「明日！？」
え！？飲んでちゃダメでしょ！ってビールを取りあげたら、飲むしかなくね？と返事。
「だって半年もお前と飲めなくなるんですけど」
「それでも、明日なんでしょ？」
「飛行機だし、寝てりゃ着くだろ」
そりゃそうですけど。
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さんご(プロフ) - しおりさん» はじめまして、しおりさん。コメントありがとうございます。そんなこと言って頂けるなんて、もう嬉しい限りです(笑)こちらこそありがとうございます(´ω｀) (2019年9月21日 12時) (
レス) id: e1b1cf4c3f (このIDを非表示/違反報告)
しおり(プロフ) - はじめまして。どのお話も優しくて、心が温かくなりました。さんごさんの丁寧な言葉の紡ぎかた大好きです。多分何度も読みに来ちゃうやつだ(^^)ありがとうございます。 (2019年9月21日 7時) (レス) id: 072c120661 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さんご | 作成日時：2019年8月15日 16時
