第63話 ページ23
それからの日々はかなり騒がしかった。
敵連合から開放されたという形で警察署に赴き、ことの収束を謀った。
『監 禁されていただけで、何もされていない』
その一点張りで事情聴取を切り抜け、体を検査にかけられたのちに解放された。
意外としつこいんだね、警察って。
そう思えたのも束の間、今度はメディアに取り囲まれる。
『敵連合とはどのような組織なのでしょうか！？』
教えてたまるか。
そもそもよく分かってないし。
『ご両親が海外赴任しているプロヒーローとお聞きしたのですが』
お父さんとお母さんを巻き込まないで。
『やはり、助けを求めたのでしょうか？』
うん、弔にね。
『監 禁されている間、どのような心境でしたか？』
幸せだったよ。
『敵連合から解放された今、どのような気持ちですか？』
まあ、解放されてないんだけどね。
なんて言うわけにも言わず、至って普通の、どこにでも居そうな女子高校生として答えようと口を開いた瞬間、
「私が来たっ！！」
空から大きな体が降ってきた。
光り輝く金髪に、屈強な体。
どこまでも通りそうな声。
現No.1プロヒーロー、
「…オール、マイト…」
「すまないなメディア諸君！無間少女は長期に渡る監 禁で疲弊しているんだ」
平和の象徴はそう言うと、私の肩を引き寄せた。
「なのでここから先は…」
ふわっと体が浮く感覚。
「私に預からせてもらう！」
「ええっ！オールマイト！？」
取り巻きたちの困惑した声を耳にしながら私は振り向かなかった。
平和の象徴の腕の中で空を飛ぶ。
何が起きたのか理解はしていないが、あの中から抜け出したことからの安堵で溜め息が零れた。
「すまないね、無間少女」
「え？」
高い位置から街を見下ろしていると、突然オールマイトが口を開いた。
何に謝られたのか分からず首を傾げると、眩しいくらいの笑顔を私に向けながらオールマイトが喋る。
「緑谷少年に頼まれてね。黙って連れ出す形になってしまった」
「あ、いえ…」
「大丈夫かい？」
頼もしい。
私はその笑顔に頷きながら、『やっぱり私を助けてくれるんだね』なんて幼なじみに思いを馳せた。
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暁稀 - これこそ純愛。YES純愛。黒霧さんイケメン過ぎて禿げました、どうしてくれるんですかありがとうございます！ (2021年8月13日 3時) (
レス) id: 5c3eb28485 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 最高すぎます！！ (2019年12月29日 2時) (レス) id: a8dea294c9 (このIDを非表示/違反報告)
budou(プロフ) - やばすぎた。読んでるだけやのに幸せ... (2019年10月13日 7時) (レス) id: bca9c6f33f (このIDを非表示/違反報告)
チイナ(プロフ) - もう号泣でした。涙がぽろぽろ溢れ出てきて、あーいい作品に出会ったなぁ、と感じました。私の大好きな作品に追加です！このような作品をお作りいただきありがとうごさいます！また読み返しに来ます。 (2019年7月15日 8時) (レス) id: f759a37db1 (このIDを非表示/違反報告)
琴(プロフ) - はじめまして。何度も何度も読み返してその度に感動させられて、こんな小説久々に読みました！！また読みに来ます！この作品に巡り合えて幸せです。本当にありがとうございます！ (2019年2月9日 21時) (レス) id: f1af7a443b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うすしおタルト | 作成日時：2018年8月26日 19時
