第十話 大きな悲哀 ページ20
※シリアスになります。ご注意を。
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ゲルドと話が終わった後、いつもどおり丘に行き一服をすることにした。
そして、周りを見回し誰も居ないことを確認すると腰を掛ける。
煙草に火をつけ、肺に煙を入れそしてゆっくりと呼吸する。
胸が苦しい、唇は小刻みに震えた。
「私はまた一人死なせてしまった。ああ、アオイ。どうして私はこんなにも無力なの。
貴女を失う恐怖は、私にとってとてつもなく大きくそして苦しめたのに。それで私は。
強くなろうとしたのに。」
私の頬には瞳に収まりきらなかった涙が流れていた。鋭い哀感は胸に突き刺さる。
そんな私を暗示しているのか、薄暗い雲が私を包むように広がっていた。
愛するものがもう死なないように私は変わらなければならない。
決意するように鋭い目つきで空を見た。
《 確認しました。ユニークスキル『相愛者』が『最愛者』に進化できます。実行しますか。 》
大賢者さんの声が鼓膜に響く。ゆっくりと目を閉じ、淋しさに心を傾けた。
この淋しさを変えられるのであれば、愛する者を救うことができればそれでいい。
「大賢者さん、実行をお願い。」
《 解。ユニークスキル『相愛者』がエクストラスキル『最愛者』に進化しました。
このスキルにより、髪の色は黒色から青みがかかった黒色に変わります。
なお、『最愛者』は愛するものを守るために最大限に力が持続的に使えるスキルです。》
虚ろな私の頭に響く大賢者さんの声がひどく哀愁が在るように感じた。
スキルの進化をした私は深海のような藍色に変わった。今まで愛した者達の色。
私はいつも虚無感に襲われ不安になってしまう。それを隠すように煙草を何本も吸う。
「ねえ、私ね。愛することができても、愛されることは慣れていないの。
愛されるってどういう感覚なのかもあまり知らない。いつか私を愛してくれる方は、
いるのかしら。昔のことだけど私は男性から暴行を受けていたの。妹に言えなかった。
身体だけしか愛されなかった。そんな私を愛してくれる人はいるのかしら。」
誰に聞くわけでもなく悲しみに閉ざされた。
涙の雨を隠すように呟く。
彼女の闇は誰よりも深く、そして暗いものだった。
それを隠すように鍵のついた扉で閉じ込めたのだった。
軋む胸を抑えながら、私は涙を止めようとしなかった。
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朱里(プロフ) - 続けてすみません。第十三話のエレンの名前が〇〇〇になってます。意図的だったらすみません (2021年12月11日 19時) (
レス) @page27 id: 1848b8e1d2 (このIDを非表示/違反報告)
朱里(プロフ) - 楽しく読ませていただきました！第四話から出でくる〇〇〇ジンとはどのキャラですか？ (2021年12月11日 19時) (レス) @page7 id: 1848b8e1d2 (このIDを非表示/違反報告)
山北(プロフ) - ユトさん» ユト様→ご指摘ありがとうございます。訂正致しましたのでご覧になってまた違和感がありましたらご指摘お願い致します！ (2019年4月14日 19時) (レス) id: 79f5829be5 (このIDを非表示/違反報告)
ユト(プロフ) - とても面白いです！あと、ミリムの名前は、ミリム・ナーヴァですので訂正お願いします。 (2019年4月13日 6時) (レス) id: 7c4b452e79 (このIDを非表示/違反報告)
山北(プロフ) - 暇人114514号さん» 暇人114514号様→いつも読んで頂き有難う御座います。名前が同じとは光栄です笑 また、更新していくのでもしよろしければ又宜しく願い致します笑 (2019年4月4日 17時) (レス) id: 760c82b915 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：山北 | 作成日時：2019年3月20日 0時
