第八話 豚頭帝 ページ16
蜥蜴人族と豚頭族が戦闘しているという報告を受け、私は即座にその場所に移動した。
ランガが乗せてくれることになったので、移動には困らなかったが苦しいのは変わらない。
「オークロード、私と同じ痛みを持つ者よ。もう少しだけ待っていて。」
私は、独り言を言った。誰にも聞こえぬように…と。
ランガは私の発言に気づいているのか、ｸｩﾝと鳴く。
「大丈夫だよ、ランガ。私の飢えはそこまでひどくないから。」
ランガの綺麗な白銀の毛並みに唇を落として目的地へと向かう。
私の言葉はほんの少しの風の切れめから闇へと消えていく。
ｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰ
到着した瞬間に蜥蜴人族の方の危機と感じ取って、ランガに別れを告げる。
「何だ、ガビルか。貴様もさっさと殺されておけば良いものを！
まあいい。せっかく出向いたのだ、貴様は俺の手で殺してやる。
俺の役に立って死ねるのだ、光栄に思うがいい‼」
ゲルミュッドはそう言い、魔法弾を撃ち出す。
私とリムルはガビルの前に立ち、攻撃から身を守る準備をする。
その魔法弾はリムルの右手によって吸収される。
私は、光魔法「虹光の壁(エアフォルクガーディスト)」と呟き周りの風圧を抑える。
周りは攻撃を止めて、私たちの方を見やる。
「ナッ何故…！！」
ガビルは悲しく、そして裏切られた感情が拭い切れない顔だった。確かにな。
何故助けた、此処で死んだ方がマシだ。そんな感情もあるだろう。しかし、
「困った方は助けるのがリムルよ。それは貴男も然り。
お父様を傷つけたくなったのでしょう、貴男は勇敢で仲間想いの素晴らしいお方。
貴男は此処で死ぬべきではないわ。ガビルさん、運命を私達に託してみない。」
そういってリムルの回復薬を渡した。ガビルは私の言葉でか、それとも緊張が解けたのか目に大きな粒を溜めて、“ はい。 ”と答えた。
「オッお前は…、！まさか…絶滅したと聞いたのに。」
ゲルミュッドは私に目をやり、言葉を発した。
そして恐慌状態の彼は豚頭帝に指示をする。
しかし彼は無惨に豚頭帝の餌となったのだ。
必死にゲルミュッドを食べる姿に私の胸は締め付けられた。
ｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰ
長いので此処で区切ります。あっ山北です。
第八話 豚頭帝 2→←第七.五話 魅力的なあなた(番外編) 4
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 220人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「逆ハー」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
朱里(プロフ) - 続けてすみません。第十三話のエレンの名前が〇〇〇になってます。意図的だったらすみません (2021年12月11日 19時) (
レス) @page27 id: 1848b8e1d2 (このIDを非表示/違反報告)
朱里(プロフ) - 楽しく読ませていただきました！第四話から出でくる〇〇〇ジンとはどのキャラですか？ (2021年12月11日 19時) (レス) @page7 id: 1848b8e1d2 (このIDを非表示/違反報告)
山北(プロフ) - ユトさん» ユト様→ご指摘ありがとうございます。訂正致しましたのでご覧になってまた違和感がありましたらご指摘お願い致します！ (2019年4月14日 19時) (レス) id: 79f5829be5 (このIDを非表示/違反報告)
ユト(プロフ) - とても面白いです！あと、ミリムの名前は、ミリム・ナーヴァですので訂正お願いします。 (2019年4月13日 6時) (レス) id: 7c4b452e79 (このIDを非表示/違反報告)
山北(プロフ) - 暇人114514号さん» 暇人114514号様→いつも読んで頂き有難う御座います。名前が同じとは光栄です笑 また、更新していくのでもしよろしければ又宜しく願い致します笑 (2019年4月4日 17時) (レス) id: 760c82b915 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：山北 | 作成日時：2019年3月20日 0時
