影山飛雄は番犬である【ハイキュー】

関係ないじゃん？ ページ27

飛雄がジャンプサーブを打つ。
が、勢いがついたそのボールは澤村さんに簡単に拾われた。



影山「ッ！」



そして山口くんのアタックで、向こうに一点が入る。



月島「ほら！王様〜、そろそろ本気出した方がいいんじゃないの〜？」

日向「なんだよお前！昨日から突っかかりやがって！王様のトスってなんだ！？」

月島「君、影山がなんで王様って呼ばれてるか知らないの？」

日向「コイツが何かスゲー上手いから、他校の奴らがビビって呼んでたんじゃねーの？」



まぁ、最初はそう思っちゃうよね…
本当は、北川のチームメイトが付けちゃったんだけど…



月島「意味は、自己チューの王様。横暴な独裁者」

『…』

月島「噂通りだったよねぇ。最後の試合、横暴が行き過ぎてベンチ下げられてたもんね？」

日向「？」



そう、あの時の試合。
無茶なトスを上げる飛雄に金田一が「打てなきゃ意味ねーだろ」と言い、その言葉に飛雄が反論したのだ。

「もっと速く動け」
「もっと高く飛べ」
「俺のトスに合わせろ」
「勝ちたいなら」

飛雄の叫んだ言葉。
この言葉にチームメイト全員が呆れた。

そして第１セット。相手のセットポイント。
トスを上げた先、そこには誰も居なかった。

立ち尽くす飛雄に監督が言った。



「影山、お前もうベンチ下がれ」


セッターにとって、上げたボールを無視されるという事は相当ショックだ。



月島「クイック使わないのも、あの決勝の所為でビビってるとか？」

影山「あぁ、そうだ。トスを上げた先に誰も居ないっつうのは、心底怖ぇよ」

『…飛雄』



体育館が静まり返る。
しかし、その沈黙を破ったのは日向だった。



日向「え？でもそれ中学の話でしょ？」

影山「…？」





日向「俺にはちゃんとトス上がるから、別に関係ない」

影山「…」

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