【募集企画】東方幻想記録物語 4巻 (ページ5)

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新崎夏とやら和華ページ5

「すみませーん！私にもだらけ装置を使わせてください！」

和華がこたつに潜ってみかんを食べていると、そんな声が聞こえてきた。
全く、このハッピーな瞬間を邪魔するなんてわかってないなぁと思いつつも、和華はこたつから渋々這い出て声の方を見た。
そこには、キラキラと目を輝かせた少女がいた。
頭は肩より少し上の黒髪のショートカット。赤いパーカーのフードを深くかぶっていて、その下に白いTシャツを着ている。ズボンは黒い長ズボンで、靴は黒いスニーカー。
物騒なことに腰に二本の刀をかけている。

「あの～どなたですか～？返答次第では帰ってもらうことになりますけど～。ふぁ～あ。」

欠伸をしつつ尋ねる和華。少女はハッとしたような表情で

「私は新崎夏と言います！この場にはこたつ、座布団にみかん、漫画なんかもあります。これは素晴らしいだらけ装置です！センスありますね！貴方だらけ仲間でしょう！？私にも使わせて下さい！」

と言った。
(新崎夏…と。ふうん…悪意や敵対心も感じられないし、これはただ単にこたつに入りたいだけか。害を加えて来る様子もないし、何よりアホっぽい。この人は信用しても良さそう。)

「私は呉月和華。新崎さんとやら、私は貴方を信用する。自由に使ってくれて構わないよ。ああでも、私に危害が加えられかねない行為をしたら容赦なく追い出すから。
………よろしく」

夏は「ありがとうございます！」と言ってから、こたつに入って漫画を読み始めた。
(しかし…)
和華の元の世界のこと(漫画、こたつ、みかん等)を知っていた夏は、もしかすると、和華と同じく幻想入りしてきた外来人かもしれない。
「夏さんはさ」和華は切り出した。

「元の世界で死んで、この世界に来た？」

夏はパチパチと二回瞬きをした。少しきょとんとしてから、「そうですね…」と言った。

「私は、死んではいませんね。勉強のない世界に行きたいな～って思ったら、すとーん！って落とされたんです。」

聞くに、夏は落とされた後、博麗神社の博麗霊夢と仲良くなったらしい。そして、今なにかを探索している…と。
(探し物しているのにここにいていいのか…？)
和華は思ったが、それを言うのは面倒なので言わないでおいた。
みかんが実に美味しい。和華と夏は束の間のこたつ休息を存分に楽しんだ。

夏は置いてあった漫画、ワン◯ースやらナ◯トやら鬼◯の刃やらを全部読み切ってしまった…。