【募集企画】東方幻想記録物語 3巻

獲物　ナハト ページ12

注意






タロットカードの練習の息抜きに、幻想郷をまわっていた。
あちこちでいろんなことが起きているから、うるさい。

「息抜きにならない」

そう呟くと、トンッと地面を蹴り、空を飛ぶ。
相変わらず闇に包まれている。
端から見ると黒いボールだ。

つまらない。
暇すぎる。
あ、異変...

「せっかくだし...」

獲物をめがけて急下降する。
その獲物はあわてふためき、叫ぶ＿＿＿

「うるさい」

首を引っ掻くかのようにすれば、その獲物の首は抉れ、喉はつぶれ、声がでなくなった。
ふふ、うるさかったから、ちょうどいいや。
口から血を吐き出しながらも逃げようと這い回る獲物＿＿＿人間。
その人間の目をめがけて刃を降り下ろせばゴロリと目玉が落ちる。

「―――――――――――――――――ッァ"」

喉がつぶれているから、悲鳴も出せず、ひきつった顔で、涙で、涎で、鼻水でぐちょぐちょになった顔。その声にならない悲鳴はとてもきれいなものに聞こえた。
楽しくなってきて、にんまりと笑う。
指を切り落とし、腹を貫く。どくどくと溢れ出す血が、人間の命を表していた。
どくどくとなるはずの心臓は、とくとくと弱々しいものに変わっていた。
じっくりと耳も切り落とす。人間は痛みに耐えれず、体を捻り抵抗する。
あァ、意味なんてないのに。
目玉を丁寧に闇に閉ざすと、人間に向き直り、嗤いながら呟いた。

「もう飽きちゃった」

ドスッ＿＿＿

心臓を一突き。

目が眩むほどの鮮やかな血がまるで噴水のように吹き出す。

ピクピクと痙攣していた人間はやがて、静かになった。







　








　


「楽しかった＿＿＿＿♪」

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