闇夜の暗殺者 珠城 ページ39
暗闇を今日も俺は闊歩する。空虚で静かでなんにもなくて、そんな何時も通りの光景を無感情に見つめては目を逸らすを繰り返す。
詰まらないが、これが最善で合理的な生きる道だ。
俺、阿野永珠城の生き方だ。
後悔なんて知らない。退屈な毎日を貪ることの、なんと贅沢なものか。
それでも拭えない虚しさは、俺が嫌いな筈のものだから。
?「あら、詰まらなそうね、貴方」
珠城「・・・!?な、今、どこから来て・・・気配はなかった筈だ」
驚いたのは一瞬のみ。驚愕や、深い感情の起床は己を裂く刃となる。
飽く迄も冷静に相手を見極めろ、それでなければ死は終ぞ迫って来る。
声からして女、「聞こえてくる音」は・・・・・。
なんだ、これ?
疑問が脳内をぐるぐる回る。こんな音は知らない。人じゃ、ない?
悠然と歩みを寄せてくる女に警戒心を格段にあげる。
こいつは危険だ、兎に角、逃げろ!
頭こそそんな指令を出すも、何故か身体は凍ったように動かない。
許容を超えた衝撃は、成程、どうやら思考を鈍くするらしい。
?「どこ、ね。その質問は、自分で見つけることをお勧めするわ?」
珠城「なに、全く理解できないんだけど」
動かない身体を他所に目だけで女を睨む。原因を押し付けることは視野を狭める。
そんな愚行をする心算はないが、生憎、全く疑ってかからない程俺は呑気で幼稚ではない。
ふふ、と漏らされる笑みに、余計意識が乱れて苛つく。なんなんだ、本当に。
?「ああ、退屈だ、でも、生き残るには仕方がない。そうやって、貴方は逃げるのね?」
──合理の皮を被って。
気づいたら、元の通りに、むしろ条件反射のように、懐に滑り込ませてあったナイフを女の首筋にあてていた。
そこで気がついた。今のは、女の言葉を肯定したのと同じだ。
図星。
そんなものをつかれて、またもや固まってしまった。
?「その退屈、我々が紛れさせてあげましょう。ようこそ忘れ去られた者が集う理想の世界、幻想郷へ。私、賢者たる八雲紫が、貴方阿野永珠城を歓迎します」
そこで、俺の意識は途絶えた。
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黄色苺(プロフ) - ちょっとおかしい部分を直します。 (2019年6月18日 22時) (レス) id: 6aa6067f2d (このIDを非表示/違反報告)
サナティ(プロフ) - 作りました! (2019年6月16日 17時) (レス) id: 1a8f9f7b82 (このIDを非表示/違反報告)
黄色苺(プロフ) - サナティさん» 了解です(`・ω・´)ゞ (2019年6月16日 17時) (レス) id: 6aa6067f2d (このIDを非表示/違反報告)
サナティ(プロフ) - 更新しました!続編作ります! (2019年6月16日 17時) (レス) id: 1a8f9f7b82 (このIDを非表示/違反報告)
サナティ(プロフ) - 更新します! (2019年6月16日 16時) (レス) id: 1a8f9f7b82 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サナティ x他2人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/
作成日時:2019年5月1日 7時