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同意したのは甲斐君の友達の…確か石倉君だっけ。
石倉君は私の隣にどかっと腰を下ろした。

石倉君は私が甲斐君を褒めたことに上機嫌のようで、嬉しそうに話し掛けてきた。

「あいつマジでダンスうめぇんだよ。
ブランクあってあんな踊れんだからたいしたもんだよ」

「ブランク?」

「ああそうか、蒼井はあの時いなかったから知らないのか」

そして石倉君は教えてくれた。

甲斐君のお母さんが脊髄をやられて介護生活を余儀なくされたこと。

それで、好きなダンスをやめて働かなきゃいけなくなったこと。

「でもブッキーのおかげで、なんとかダンスはやっていけそうなんだ。弟達の面倒は俺らが見るし」

「へえ…」

意外だった。

私にとって甲斐君は、不良でキレやすくて、すぐ暴力を振るう怖い人だった。

甲斐君がそんな悩みを抱えていたなんて。

カレーを甘口にする裏技も、毎日家事をしている中で知ったんだろうか。

もちろん不良でキレやすくて暴力を振るうのは変わらないけど、甲斐君を見る目が少し変わった気がした。

「まあブッキーが教えてくれるまで、甲斐にそんな悩みがあったなんて知らなかったけどな」

情けねえ、と呟く石倉君。

「…先生が?」

「そう。担任だから生徒の家庭事情は把握してんじゃねぇの?」

「…そう、なんだ」

やっぱダンスやってる甲斐かっけえよマジで、と笑う石倉君は自分のことのように誇らしげで。

2人はいい友達なんだろうな、と私までなんだか嬉しくなった。

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理音(プロフ) - 続き気になります!更新楽しみにしています!応援してます!! (2022年8月16日 0時) (レス) id: d2e2ccbd11 (このIDを非表示/違反報告)
7star(プロフ) - 初めまして!読み進めるほどドキドキして胸がギュッと締め付けられます。作者様のペースで更新されるのを楽しみに待ってます! (2020年7月15日 21時) (レス) id: f3e580ba40 (このIDを非表示/違反報告)
まろん(プロフ) - 読んでて切なくてきゅんきゅんしてます!何度も何度も読み返してます!更新楽しみにしています!頑張って下さい、応援しています! (2019年6月2日 14時) (レス) id: 2af5865e58 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さな×りお | 作成日時:2019年5月11日 0時

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