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「…感情が麻痺していた私を、先生は救ってくれました。

お兄ちゃんが死んでから私は屍同然で。
全てがどうでもよくて、毎日を淡々と、消化するように生きていました。

感情に、意味なんてないって思ってました。


でも先生と出会って、

先生に褒められて、嬉しいって思った。

先生とデッサンの練習をしていて、楽しいって思った。

先生のことを好きだと気づいて、幸せだと思えた。

先生に振られて、悲しいと思った。

その全てに、意味があるって思えるんです。


…先生と出会ってなかったら、私はきっと、感情が麻痺したまま、今も他人の痛みに無頓着でいたんだと思います。

錆びついていた私の心を、先生が動かしてくれたんです」


軽く息を吸い込む。
初めに告白した時と同じくらい緊張した。

「私、やっぱり先生が好きです。

教師だろうが余命僅かだろうが、好きなことをやめるなんてできません。

最後まで、好きでいさせて下さい」

先生は、眉を下げて「そうか」と言った。「迷惑だ」と拒絶しはしなかった。

何故だろう、とても淋しそうな、悲しそうな顔をしていて、私には先生が何を想っているのか推し測ることができなかった。

「じゃあ、さようなら。また明日」

そう言って、ドアノブに手を伸ばした。


その手を掴まれた。

先生が、私の手を掴んでいた。


驚いて振り返ると、目が合った。

眼鏡の奥の瞳が、微かに震えた気がした。

そのまま手を引かれ、先生の元へ引き寄せられる。

「せんせ…」

その先は続かなかった。

言葉を封じるように、先生の唇が触れていた。


◆◇◆◇◆◇

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まろん(プロフ) - 読んでて切なくてきゅんきゅんしてます!何度も何度も読み返してます!更新楽しみにしています!頑張って下さい、応援しています! (6月2日 14時) (レス) id: 2af5865e58 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さな×りお | 作成日時:2019年5月11日 0時

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