占いツクール
検索窓
今日:5 hit、昨日:59 hit、合計:13,416 hit

6-17 ページ17

「じゃあ…3人目の佐久間先生は?」

「一言で言うと、キモい」

「確かに」

「あぁー分かりみが深い」

…酷い言いようだ。

「よく澪奈を見ながらニヤニヤしてた」

「俺だけの景山にしたい。独占欲だよ」

「…そんな、キモいとか独占欲とか、勝手に言いすぎじゃない?」

あまりにも一方的で身勝手な言葉ばかりで、思わず口を挟んでしまった。

前みたいに、「部外者のくせに」と罵倒されはしなかったけど、

「んー…でもやっぱりキモいものはキモいよね」

私の言葉はあまり伝わってないみたいだ。

みんな好き勝手に自分の意見を話し出す。

「澪奈を見ながらニヤニヤしてたとかやっぱキモい」

「生徒をそういう目で見てる時点でキモいよね」

その言葉に、背中にぐ、と力が入った。

みんなにそんな意図はなくても、私の頭はどうしてもそれを先生のことに結びつけてしまう。

聞きたくない、と思っていても、思っているからなのか耳は冴えてしまって、色んな言葉を拾ってしまう。

「教師と生徒の恋愛とか、ないわー」

唇をぐ、と噛んだ時、

「…別に、そんなことないんじゃね?」

甲斐君の声がした。

思わず振り返った。

教室の隅に座る甲斐君は、ちょっと不貞腐れたような、拗ねたようないつもの表情のまま、そんな言葉を吐いていた。

石倉君が「甲斐…」と甲斐君に視線を向ける。

「まさかお前森崎先生のこと!?」

「は!? ちげえし!!」

「いいぜ…俺は応援する! ダチだからな!」

「だからちげえって!」

石倉君の頭をがしっと掴みながら、甲斐君は不意に私の方を見た。

しっかりと目が合ってしまった。

甲斐君の瞳は気遣うように少し揺れた。

私は目を合わせていられなくて、目を逸らしてしまう。

甲斐君は庇ってくれたんだ。
先生を好きな私を、庇ってくれた。

さくらも私の恋を笑って受け入れてくれた。
諏訪さんだって、意地悪く笑いながらも「頑張れば?」と背中を押してくれた。

でも多分、先生との恋は、多くの人からしたら「ないわ」と言われてしまうようなもので。

私は、あの日、雨の音に乗せて、自分が言った言葉を思い出す。

前に向き直って、何も見たくなくて、目をぎゅっとつぶった。

瞼の裏に、細かい銀の雨が浮かぶ。

聞こえるはずのない雨の音が、聞こえた気がした。

6-18→←6-16



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (28 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
290人がお気に入り
設定キーワード:3年A組 , 柊一颯 , 菅田将暉
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

まろん(プロフ) - 読んでて切なくてきゅんきゅんしてます!何度も何度も読み返してます!更新楽しみにしています!頑張って下さい、応援しています! (6月2日 14時) (レス) id: 2af5865e58 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:さな×りお | 作成日時:2019年5月11日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。