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投げ飛ばされる勢いで、身体がロッカーに叩きつけられる。そのまま変な体勢で着地する。
かくりと足首が変な方向に曲がった。
「痛っ…!!」
激痛に呻き、その場に蹲ってしまう。
こっちを見下ろす甲斐君と目が合った。
甲斐君は一瞬、焦った顔をした。
悔やむように、くしゃりと顔を歪めた。
でも引っ込みがつかなくなったんだろう。
「…んだよその目は！」
甲斐君が私に掴みかかろうとして、
教室のドアが勢いよく開いた。
ドアを開いたのは先生だった。
今までにないくらい、怖い顔をしていた。
「甲斐、下がれ」
地を這うような低い声だった。
有無を言わさない気迫に押されて、甲斐君が後退する。
先生はこちらに歩み寄ってくる。
先生が放つ怒気に、教室の空気がピリピリと痺れていた。
「蒼井、どこ怪我した」
「足首が痛くて…」
「ついてこい」
私は立ち上がって先生についていこうとしたけど、上手く歩けずよろけてしまう。
それを見た先生は、私に肩を貸した。
気まずい無言の空間の中で、私達に視線が注がれているのを感じる。
廊下に出て少しほっとした時、
「いっ…」
地面からの小さな衝撃だけで右足に鋭い痛みが走り、思わず声を出してしまった。
顔をしかめる私を、先生は苦しそうに見つめていた。先生の方が怪我人みたいだった。
次の瞬間、先生は私をさっと横抱きにした。
「えっ」
微かに洩れた声もそのままに、私は先生に抱えられていた。先生の腕は思ったよりがっしりしていて、これなら喧嘩も強い訳だと私は場違いな納得をした。
「先生、あの」
「じっとしていろ」
言われるまま先生の腕の中に身を委ねている間に、先生は美術室、美術室準備室へと歩みを進め、気づけば椅子に座らされていた。
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さな×りお(プロフ) - 雨傘 空さん» 勿体ないお言葉…！ありがとうございます!!とっても励みになります！ (2019年4月13日 12時) (
レス) id: e17c1230c5 (このIDを非表示/違反報告)
雨傘 空(プロフ) - 文章表現がとても好きです……！いつも更新たのしみにしています。作者さんの無理のないペースで、これからも応援しています！ (2019年4月13日 8時) (レス) id: 04590a81f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さな×りお | 作成日時：2019年4月7日 13時
