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押し黙る私の反応に気づいて、さくらは慌てたように身体を起こした。
そこには、沢山の写真が散らばっていた。最初は部活で撮ったものだと思っていたけれど、違った。1枚を手に取る。
水泳のユニフォームを着た影山さんが写っていた。笑顔で誰かに話しかけている。目線がこちらを向いていなかった。
「これ…盗撮？」
「あ、いや、これは」
写真を拾い集めながら、あまりにも分かりやすく、さくらは慌てふためく。
「ち、違うの、その。澪奈様が美しくて、とても被写体にしたくなったっていうか…エモくて！それで」
弁解になってない。
本人も何を言っているのかよく分かってないんだろう。パニックになったさくらは、色々と誤解を助長するようなことを言って、自爆に自爆を重ねている。まあ、誤解じゃないんだろうけど。
ちょっと気持ち悪いなと思った。
「…それで、」
最後にさくらは、これだけは言わねば、という調子で口を開いた。
「誰にも言わないでくれないかな？
澪奈様にバレたら、私死ぬ…」
「いいよ」
「えっ」
さくらはびっくりしたようで、目を大きく見開く。その無防備な表情に、私は思わず笑ってしまった。しゃがみこんで拾うのを手伝う。
「言ったら死んじゃうんでしょ？」
「う、うん…ありがとうA」
「そろそろ部活行ったら？」
「そ、そうだね」
私物を全て回収し終え「じゃあねA」とさくらは今度こそ歩き去って行った。ばいばい、と手を振り返す。
さくらが完全に背を向けたところで手を降ろし、さくらから視線を外した。
本当は、言うべきなのかもしれない。
影山さん本人に言いつける形でなくとも、さくらに「本人に確認とらなきゃ」とか、せめて「どうして影山さんのこと撮ってるの？」くらい聞くのが、きっと正しいんだと思う。でもそうしなかった。
特に、興味を持てなかった。
正直、どうでもよかった。
他人にそこまで執着することが理解できなかった。理由を聞いても、きっと分からないだろうなと思った。
さくらと私は、本当に仲が良いんだろうかと、たまに思う。
でも、私とさくらは1年間同じクラスで、今も同じ部活で。そこそこ長く一緒にいて、そこそこ沢山会話をして、笑い合っている。
だからきっと、私達は仲が良い。
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さな×りお(プロフ) - かなとさん» 指摘していただきありがとうございます。訂正いたしました。 (2019年4月1日 18時) (
レス) id: e17c1230c5 (このIDを非表示/違反報告)
かなと - 編集画面をよく読みオリジナルフラグをお外し下さい違反です (2019年4月1日 16時) (レス) id: 977ff24faa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さな×りお | 作成日時：2019年4月1日 15時
