初恋は君の笑み。【月明&抹茶オムライス】オリジナル小説 (ページ5)

今日:4 hit、昨日:0 hit、合計:1,852 hit

一話　叶わない恋 in 織斗side ページ5

「おはよー！」

「おはよっ！！」
「はよー」

朝。

挨拶が飛び交う中、一人教室に向かう。

今日もまた、魅入ってしまうのだろう。

上履きの靴紐を結び直して、2ー3と書かれた教室に入った。

「あ！雨神さんおはよう！！」

「…おはよ。」

明るいおさげをふわりとなびかせて挨拶する宮川さん。

その笑顔は

まるで、花のようだった。

自分の席に着くと、鞄から本を取って読む。

遭難した10人の少年少女が無人島で生活する話。

俺のお気に入りだ。

この物語はただの冒険じゃない。恋愛小説でもある。

正直、こんな恋してみたいと思ってしまう。

宮川さんは、この小説に出てくる少女にそっくりだった。

明るくて、誰にでも優しくて。

友達も多くて、ムードメーカーで。

俺とは正反対なんだ。

たくさんの友人に囲まれて笑う彼女をみて今日も思う。

俺には、叶わない。

俺じゃあ、彼女を幸せに出来ない。

そう、思ってしまうんだ。