50.花火大会 ページ50
「花火までまだ時間あるから、屋台見て回ろ。」
お兄ちゃんが言った。
トミーさんの隣、歩きたいけど、
「トミーさん何食べたいですか?」
奈菜美ちゃんが、トミーさんの隣を歩いている。
「焼きそば食いてー。」
屋台の焼きそばを見て、そう呟くトミーさん。
「焼きそばいいですね♪食べましょ♪」
トミーさんの腕を掴んで、
焼きそばの屋台に向かう奈菜美ちゃん。
私はただそれを見ていることしか出来なかった。
仲良く焼きそばを買って、こっちに来る、
トミーさんと奈菜美ちゃん。
私は見ていられなくて、
見たくなくて、
目を逸らした。
そんな様子を見ていたお兄ちゃんが、
「Aは何食べたい?」
と聞いてきた。
『たこ焼き...。』
本当は、私も焼きそばが食べたかったけど...。
私、ひねくれてる...。
やだなぁ...。
「買ってくるね。」
お兄ちゃんはそう言いたこやきを買いに行った。
それぞれ食べ物を買って、
空いてるベンチに座り食べた。
座るときも、
奈菜美ちゃんは、トミーさんの隣に座った。
まぁ、奈菜美ちゃんは私の気持ち知らないし、
仕方ないのかな。
知ったとしても、
好きな人の隣なんて、譲らないよね。
食べ終わり、また屋台を見回った。
『あ、金魚すくい...。』
私はふと、金魚すくいの屋台の前で立ち止まった。
「やる?」
お兄ちゃんに聞かれ、
『やる。』
とくに金魚が好きとかじゃなかったけど、
なんとなく、気を紛らわしたかった。
「僕もやろー。」
と、キイチさんが言うので、
2人で挑戦することになった。
意外と夢中になれて、楽しかった。
夢中になり過ぎていた私。
「浴衣の袖、水に入って、濡れてる。」
私の隣に来て、私の浴衣の袖を軽く上げるトミーさん。
トミーさんが隣に来たときに、
ふわっと香った匂い。
...この匂い...。
私知ってる...。
「袖ビチャビチャじゃん。」
と笑いながら、袖を軽く絞るトミーさん。
『...あ、ごめんなさいっ。』
私が謝ると、
「A、夢中になり過ぎィー」
と言うお兄ちゃん。
「ねぇ、私あれやりたい。」
それを見ていた奈菜美ちゃんが、
少し不貞腐れたような顔を一瞬見せて、
ヨーヨーすくいを指さし、
トミーさんの腕を掴んで、行ってしまった。
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渚(プロフ) - とこたんとみさん» コメントありがとうございます( ^ω^ )面白いと言っていただけて嬉しです♪ (2019年7月7日 2時) (レス) id: 4fccf6bd12 (このIDを非表示/違反報告)
とこたんとみ(プロフ) - とっても面白いです!!!! (2019年6月11日 1時) (レス) id: f614e63378 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:渚 | 作成日時:2018年8月3日 5時