うちの暴君は『嫉妬深い』だけ【石田三成】

タノシイ テスト期間 ページ29

さて、学園生活は楽しいこともあれば憂鬱なこともあるだろう。

この度BASARA学園はテスト期間を目前にしていた。
しかもこのテストは教員にも知らされず突然発表されたのである。

このことについて理事長である足利義輝は校内放送でこう語っていた。


「はっはっはー、朋よ！社会に出れば臨機応変の対応を求められる。これはその訓練と思うがよいぞ！」


身勝手過ぎる理事長の発言に抗議する者(その多くはテストで赤点を取る常連の人たち)がいたそうだが、教頭である松永久秀によってことごとく返り討ちにされた。

状況を覆すことに諦めてテスト勉強に励む者、テスト自体を諦めて現実逃避する者といる中、Aたちは放課後を活用してテスト勉強を行っていた。

あるとき、空き教室を利用してAは教師の真似事をする。


「えー……、三成が人としてだいぶズレているところがあるのでここで少し矯正するためにお勉強したいと思います。アシスタントは隣のクラスの徳川家康君です」

「頑張ろうな三成」


Aの隣にいた徳川家康は爽やかな笑顔で三成を鼓舞するが、肝心の三成は席を立って家康を指差す。


「家康貴様ァ！Aの隣に立つな！Aの隣は私の特等席だァァァ！」

「石田君、貴方今日は学ぶ立場にいるんですからもう少し静かにしてくださいねー」

「Aが、私を苗字で呼んだ……！A、もう一度発言しろ。録音する」

「スマホは授業に必要無いのでしまってくださいね。あとカメラをこっちに向けないでくださいね。家康君がへし折りますよ」

「今回ばかりは真面目にやった方がいいぞ三成。この間の倫理の小テスト酷かったらしいじゃないか」

「ふんっ、貴様こそ絆絆と豪語しておきながら私とAの邪魔をしている矛盾にまだ気が付かないのか？私はAの個別指導を要求する！」


そう言いながら三成は教卓の前に立っていたAを指名した。
しかしAは苦笑いしながら教卓の上に手を置く。


「三成、残念ながら私の選択教科は倫理じゃないんだよ」

「なっ！？」

「どちらかというと私の方がアシスタントになるかな」

「おのれ謀ったな家康ゥゥウ！」

「ええっ！？ワシが悪いのか！？」

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