古代の海洋生物って色々すごいよね ページ26
イルカはあざといから駄目。
ペンギンもあざといから駄目。
ラッコもあざといから駄目。
そして唯一見ていいと言われたヤドカリを眺めていたAはふと悟った。
「(あれ?水族館ってなんだっけ?)」
薄暗い展示室に淡い青色の照明が水槽の中を照らす。
水槽の中でヤドカリはちょこちょこと小さな足を小刻みに動かしながらヤドカリ同士ですれ違っていた。
「いや楽しいのこれ!?」
「飽きたのか?」
「ヤドカリオンリーは流石に飽きるわ!最悪この子ら海に行っても見れるからね!」
「そうか。ならば次は古代の海洋生物の模型でも」
「なんか虫を連想させるのはちょっと……ペンギン見たい」
「許可しない」
「ちっちゃいクラゲ見たい」
「許可しない」
「アザラシ見たい」
「許可しない」
「じゃあ何なら見ていいの?」
「私以外見るな」
これは果たして束縛と言っていいのか。
いや、なんだか違うような気もするが。
水族館に来てまでまともにデート出来ていないことにやきもきしたAは少し大胆な行動をすることにした。
「分かった。じゃあちょっと屈んで」
言われた通りに三成は少し屈む。
背丈に差がある分、彼が少し屈めば随分と至近距離になった。
「なんだ__」
次の瞬間、正面にいたAが視界から外れる。
Aは内緒話をするように彼の耳元で囁いた。
「私はちゃんと三成も見てるよ」
「なっ、A、今……」
「……よし、古代生物の模型見に行こう。そうしよう」
暗闇でも分かるほど頬を赤く染めたAはそっぽを向いて足早に歩き出す。
そして古代生物コーナーへ行ったかと思えば数秒と満たぬうちに戻って来た。
「どうした」
「入口付近にいたアノマロカリスって生物が生理的に無理でした」
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三楓(プロフ) - 紫月姫さん» コメントありがとうございます!色々重なってバタバタしていましたが最近はだいぶ落ち着いてきました。以前の更新形態に戻れるよう少しづつではありますが精進します(*´∀`*) (2020年7月6日 14時) (レス) id: fa2fc96bb4 (このIDを非表示/違反報告)
三楓(プロフ) - シナシグさん» ありがとうございますm(__)m無理しない程度に頑張ります! (2020年7月6日 14時) (レス) id: fa2fc96bb4 (このIDを非表示/違反報告)
紫月姫(プロフ) - お知らせ&このコメ見ました。お悔やみ申し上げます。無理せず落ち着いてからで構いませんよ?(*^^*)その間に色んな三成さまを拝みに行ってきます!変なコメントで失礼致しました! (2020年7月3日 21時) (レス) id: 9da1b7754e (このIDを非表示/違反報告)
シナシグ(プロフ) - 三楓さん» そうだったのですね...お悔やみ申し上げます。気落ちすると色々マイナスに考えがちになってしまうので無理せず自分の好きな事をしたりしてリフレッシュしながら頑張って下さい!一読者ですが応援してます!(っ`・ω・´)っフレーフレー!!! (2020年7月1日 22時) (レス) id: 63a06f166a (このIDを非表示/違反報告)
三楓(プロフ) - シナシグさん» コメントありがとうございます!実は最近身内の不幸がありまして慌ただしくしておりました。ようやく少し落ち着き、これから心の整理のためにも物語を書きたいと思います(*´∀`*) (2020年7月1日 3時) (レス) id: ed4329dbeb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:三楓 | 作成日時:2020年5月21日 0時