検索窓
今日:2 hit、昨日:5 hit、合計:39,972 hit

根本的な原因 ページ18

「そーいえば前から思ってたんっスけど、三成様ってAとどこまで進んでいるんですか?」


生徒会の集まりが終わり、片付けをしていた左近が不意に尋ねる。


「聞いてやるな左近。ヌシが思うようなことは恐らくほとんど起こっておらぬぞ」

「いやでも流石にデートとかはしてますよね?」


左近と同じく生徒会に所属している二年生の大谷吉継は三成の方を見る。
三成は終始一言も喋らず、あらぬ方向を向いていた。


「中学の時はよく遊びに行ってたじゃないっスか」

「……それは付き合う前の話だ」

「付き合ってからは?」

「……」

「え?一回も?」

「……」

「マジっスか」

「悪いかッ!」


頬を赤くして大声を上げる。
不法侵入はしているのに、まともなデートはしたことがないらしい。

不法侵入はしているのに(二回目)。


「大体人が多い場所へ行けばそれだけ見知らぬ奴らとAがすれ違う!ただでさえ校内でも腹立たしいというのに……!」

「でもその分Aの私服見れるんっスよ?」

「Aが所有している服は全て把握している」

「……ほんとAが寛大でよかったっスね。普通だったら今頃三成様通報されてますよ」

「察してやれ左近。三成はAを思うあまり奥手になり過ぎて拗れたのだ」

「気持ちは分かりますけど、なんでもっとまともな拗れ方出来なかったんっスか」

「何故私が責められている?」


そして左近は考えた末に提案する。


「今度の休みにAとデートしてみたらどうっスか?」

「校内以外でAが見知らぬ奴らとすれ違う様を見ているだけという拷問を私に受けろと?」

「いや別にそういうことじゃなくて!あんまり奥手過ぎてもダメっスよ!」

「それは以前刑部にも同じことを言われた。だからメッセージや電話は積極的にしている」


三成がAに大量のメッセージを送る原因の一つに、どうやら吉継が関係しているようだ。
しかし彼もまさか自分のアドバイスが犯罪行為スレスレになるとは思っていなかっただろう。


左近が吉継の方を向くと、彼は素知らぬ顔でサッと視線を逸らした。

変わらない関係→←彼はどうやら盗み聞きをしていたようだ



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (31 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
61人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

三楓(プロフ) - 紫月姫さん» コメントありがとうございます!色々重なってバタバタしていましたが最近はだいぶ落ち着いてきました。以前の更新形態に戻れるよう少しづつではありますが精進します(*´∀`*) (2020年7月6日 14時) (レス) id: fa2fc96bb4 (このIDを非表示/違反報告)
三楓(プロフ) - シナシグさん» ありがとうございますm(__)m無理しない程度に頑張ります! (2020年7月6日 14時) (レス) id: fa2fc96bb4 (このIDを非表示/違反報告)
紫月姫(プロフ) - お知らせ&このコメ見ました。お悔やみ申し上げます。無理せず落ち着いてからで構いませんよ?(*^^*)その間に色んな三成さまを拝みに行ってきます!変なコメントで失礼致しました! (2020年7月3日 21時) (レス) id: 9da1b7754e (このIDを非表示/違反報告)
シナシグ(プロフ) - 三楓さん» そうだったのですね...お悔やみ申し上げます。気落ちすると色々マイナスに考えがちになってしまうので無理せず自分の好きな事をしたりしてリフレッシュしながら頑張って下さい!一読者ですが応援してます!(っ`・ω・´)っフレーフレー!!! (2020年7月1日 22時) (レス) id: 63a06f166a (このIDを非表示/違反報告)
三楓(プロフ) - シナシグさん» コメントありがとうございます!実は最近身内の不幸がありまして慌ただしくしておりました。ようやく少し落ち着き、これから心の整理のためにも物語を書きたいと思います(*´∀`*) (2020年7月1日 3時) (レス) id: ed4329dbeb (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:三楓 | 作成日時:2020年5月21日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。