彼はどうやら幻覚が見えるようだ ページ16
がんじがらめに束縛されているAと言えど、左近以外に友人はいる。
その中の一人が、隣のクラスの鶴姫という女子生徒だ。
「Aちゃんって彼氏さんと同棲しているんですか?」
突如出会い頭にそんなことを言われれば、いくらAでも自分の声帯から聞いたことの無いような声が出る。
「してないよっ!?」
「そうなんですか?この間Aちゃんの家へ入っていく三成さんを見かけましたが」
「……あの暴君め、また私の家に不法侵入したな」
「不法侵入!?」
声を上げて驚く鶴姫。
今更ながら彼女の反応が一番正しい。
感覚が麻痺してしまったAに対して、鶴姫は慌てた様子でAを心配した。
「そ、そ、それって大丈夫なんですか?もしかしてAちゃん、嫌がらせを受けているんですかっ!?」
「……まあ、ある意味嫌がらせだよね」
「はわわっ!それは大変です!私がバシッと言ってきますよ!」
「え?あ、いや……もう慣れたと言うか。今更やっても無駄と言うか」
Aの言葉を聞き終わる前に三成の元へ走っていった鶴姫は、彼の前で仁王立ちをした。
「三成さん、ズバリ聞きます。貴方はAちゃんに嫌がらせをしていますね?」
「なんだ突然」
「とぼけても無駄ですよ!貴方がAちゃんの家に入っていくのをこの目で見たんです!」
「いや、だからね鶴姫ちゃん……」
鶴姫の暴走を止めようとするAを見て、三成はニヤリと口角を上げる。
「合鍵を所有しているのだから別に私が出入りしようと構わないだろう?」
「あ、あああ、合鍵っ!?本当ですかAちゃん!」
「え、知らん知らん。初耳ですけど」
「忘れたのかA、私が常に恋しくてたまらないと言って渡してきただろう?」
「ほら出たよ、お得意の捏造ストーリー。大丈夫?頭にチップ埋め込まれたんじゃない?」
ふざけるのもいい加減にしなよとAが咎めようとすると、隣にいた鶴姫が顔を赤くして「きゃー」と一人で盛り上がっていた。
「それならそうと早く言ってください!はぁぁ〜合鍵……羨ましいです。私も宵闇の羽の方の……」
「騙されないで鶴姫ちゃん。鶴姫ちゃんが捕まるところ私見たくないよ」
彼はどうやら盗み聞きをしていたようだ→←人はこれを理不尽と言う
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三楓(プロフ) - 紫月姫さん» コメントありがとうございます!色々重なってバタバタしていましたが最近はだいぶ落ち着いてきました。以前の更新形態に戻れるよう少しづつではありますが精進します(*´∀`*) (2020年7月6日 14時) (レス) id: fa2fc96bb4 (このIDを非表示/違反報告)
三楓(プロフ) - シナシグさん» ありがとうございますm(__)m無理しない程度に頑張ります! (2020年7月6日 14時) (レス) id: fa2fc96bb4 (このIDを非表示/違反報告)
紫月姫(プロフ) - お知らせ&このコメ見ました。お悔やみ申し上げます。無理せず落ち着いてからで構いませんよ?(*^^*)その間に色んな三成さまを拝みに行ってきます!変なコメントで失礼致しました! (2020年7月3日 21時) (レス) id: 9da1b7754e (このIDを非表示/違反報告)
シナシグ(プロフ) - 三楓さん» そうだったのですね...お悔やみ申し上げます。気落ちすると色々マイナスに考えがちになってしまうので無理せず自分の好きな事をしたりしてリフレッシュしながら頑張って下さい!一読者ですが応援してます!(っ`・ω・´)っフレーフレー!!! (2020年7月1日 22時) (レス) id: 63a06f166a (このIDを非表示/違反報告)
三楓(プロフ) - シナシグさん» コメントありがとうございます!実は最近身内の不幸がありまして慌ただしくしておりました。ようやく少し落ち着き、これから心の整理のためにも物語を書きたいと思います(*´∀`*) (2020年7月1日 3時) (レス) id: ed4329dbeb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:三楓 | 作成日時:2020年5月21日 0時