交渉 ページ16
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(ホークスside)
ヤバい、めっちゃ楽しい
フリフリと俺の剛翼を揺らす度にAちゃんの顔が素早く動く。
丸々とした眼、バッと飛びかかる姿は本当に
まじで猫や
パシパシと地面に落とされていく剛翼はもう5枚目。
ふわふわの羽根が大変気になるようで。
6枚目の羽根が落ちたところで、Aちゃんがハッとしたように俺の頬をビンタした。唐突すぎて後ろに尻餅をつく。
「いった!何?!」
「遊んでんじゃねぇぞ鷹見くんよぉ…」
えぇえめっちゃ顔怖い。叩かれた頬を押さえると次に胸ぐらを掴まれた。いやもう野蛮でしかないこの子。
「みんなの前でやってみ?お前まじでそのご立派な赤い羽捥ぐからな」
「捥いでもまた生えてくるんだけど」
「わかった??」
圧がすごい。体勢でいったら完全に俺今捕食される寸前。肉食動物さながらの目で睨まれれば少しビビるのをなんとか耐えてじゃあ、と口を開く。
「心開いてくんない?」
「は?」
「俺のこと若干避けてるでしょ。あれやめて欲しいしもう少し仲良くできないかなぁなんて」
じぃっとAちゃんの目を見ると、Aちゃんは俺の胸ぐらを離した。
「わかった。避けない」
「お、ありがとう」
「そのかわり!絶対みんなの前でさっきみたいなことすんな!」
「あ、ハーイ」
立ち上がってパタパタと膝についた土を払うAちゃんを見上げる。あ、水色だなんて一瞬見えた下着からサッと視線を外して俺も立ち上がる。
寄ってきた猫をひと撫でして、落ちていた羽根たちを一枚だけ地面に残して背中に戻す。
「一枚置いてくの?」
「うん。おもちゃ代わり」
ガジガジと羽根を齧りながら遊んでいる猫に2人で微笑む。
すると予鈴が鳴った。
「わ、ヤバ」
「はやく教室戻んないと」
急いでカバンを持って走り出す。
去り際に、Aちゃんが猫にバイバイと手を振っていた。
「Aちゃん」
「なに」
「また遊びに来てあげてよ」
「…気が向いたら」
走るAちゃんの横顔を見てみると、まんざらでもなさそうだった。
これで少しは近づけるようになるかなぁ
校舎裏の猫にありがとうと心の中でお礼を言いながら、置いてきた羽根をふわりと浮かせた。
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lokiloki - こちらの作品をとても気に入ったのでプレイリストに載せさせてもらいます ※自分の作品を消したい場合はお手数をかけますがプレイリストの 【おもしろ度を投票】の上にある 【リストから削除】からやるか、プレイリストのコメントから作者に言ってください (12月24日 1時) (レス) @page38 id: 7de4ffbd52 (このIDを非表示/違反報告)
San(プロフ) - めちゃめちゃ好きな作品なので続きが見たいです( ; ; ) (2023年3月1日 8時) (レス) @page32 id: b5216021f9 (このIDを非表示/違反報告)
ひなた - えっえっお願いしますみたいです大好きです (2023年2月13日 0時) (レス) @page38 id: 1bebe7d5ab (このIDを非表示/違反報告)
sana*(プロフ) - もっちさん» わぁあありがとうございます😭もう作品が逸れ過ぎて収拾つかなくなってますよね😢笑 しかも最近また新しい幼馴染同級生ネタも浮かんできてて😂しばらく更新出来ておらずすみません!そろそろ気合い入れて進めます!💪 (2022年9月9日 19時) (レス) id: 35c21c90ed (このIDを非表示/違反報告)
もっち - 同級生設定のホークス嬉しすぎていつも楽しく読ませて頂いております!続きがとってもとっても気になるので少しずつでも書いていただけたらなぁと思います…。物語って考えるのも難しいし時間もかかるでしょうし大変だと思いますが、応援しています!頑張ってください! (2022年9月2日 4時) (レス) @page38 id: 77bce02d1c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:sana* | 作成日時:2021年10月12日 11時