アシャ ［ヒロアカ］

戦闘演習２ ページ6

演習項目
　場所:三階建てビル
　クリア条件:ロボの探査をかいくぐり、３階にあるフラッグを手にいれる(ロボは壊してもよい)

「ただし、見つかったらビームを発射するから気をつけろ」

「俺なら全部破壊してからフラッグをとるな」

　だろうね、と爆豪の発言に全員が思いながらAを見守る。


　１階

　壁に寄りそいながら一つ目の角にたどり着いた。廊下にはロボがいる。

　壁にもたれて、一つ息を吸う。落ち着かせるためか目をつむっている。

　ロボが部屋に入るまで待ち、その瞬間Aは目を開けると、音もなく廊下を通り抜け階段を上った。

「すごい！ ナイスタイミング！」

　麗日がガッツポーズをし、女子生徒らは喜びの声をあげた。


　２階

　一度ロボがいないか確かめた後、Aは長い廊下に足を踏みいれた。しかし半分まで来たとき、モニターを見ていた八百万は声をあげた。

「曲がってきますわ！」

　前方の角からロボが曲がってくるやいなや、Aはすぐさま近くの部屋へ逃げこんだ。

「チッ、運がいいやつ」

　爆豪がつぶやくと全員が心の中でうなずいた。しかし一人だけ――――常闇は違った。

(千里眼でロボが来るのを見たんだ)

　そうじゃないと、あんな対応できるわけがない。あの角度でロボの姿は見えないし、反射的に部屋へ逃げるなんてもってのほかだ。

　演習の前にビルの地図をもらっていたから、今のAにはビル内どこでも見れるだろう。きっと他のロボの居場所も分かっているはずだ。

　部屋に入った後、Aは隅の物陰で息を殺した。そこまで隠れる必要があるのかと不思議に思ったが、モニターを見てはっとした。


　――――ロボが入ってきたのだ。

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