クラッシュ! ページ41
※これからかっちゃんが悪役を演じます。ご注意ください。
―――――――――
ある日事件は起こった。
「いちいち触んじゃねえよ!」
爆豪に怒鳴られたAは恐れおののいた。
先生に呼んでこいと言われたので、いつものように肩をつついただけだった。
「おいテメェ、今まで我慢していたが今日は許さねえ。何で声だせないからって俺が気使わなきゃなんねえんだよ」
椅子から立ち上がり見下す。
「周りから優しくされていい気になってんじゃねえぞ。これが普通だと思ってんのか」
固まっているAの肩を押せばスケッチブックを持ったまましりもちをついた。
「呼ぶなら声だせ。ムリなら呼ぶな」
胸ぐらをつかもうとした爆豪を緑谷が止める。
「ちょっ、かっちゃん! やめてよ」
「うるせえデク! 俺に指図すんじゃねえ!」
肘で殴られた緑谷は教卓に転がった。
「お前さ、迷惑かけてるくせによくノコノコと学校に来れるな。人の足引っ張って楽しいか」
Aは後ずさる。
助けを求めて教室を見渡したが、涙で視界がぼやけて彼の姿を探せなかった。
探すなって、助けを求めるなってことか。常闇くんに迷惑かけるもんね。
Aの動きに気づいたのか爆豪はニヤリと笑う。
「誰もお前のことなんか助けねえよ」
そのとき、クラスメイトの顔がこわばった。
「お前はいいかもしれねえがこっちはみんなうんざりしてんだよ」
「そんなこと……」
芦戸が声をあげるとボンッと爆発をおこした。
「あんだろ。じゃなかったら女子グループになじめてる。
お前は自分の立場をわきまえろ。
生まれたときから全てが決まってる。それはくつがえせないんだよ」
クラスにあふれるのは、彼の言葉を非難しようとしながら心の中で同意している顔だった。
なんだ、いつも通りか。
信じてたのに。
いや、本当は信じていなかった。遠回りに嫌がっていたのは気づいていたし。
それでもいいと思った。薄い氷のような友情でもなくなるよりマシだから。
手にあるただの紙を投げとばす。机に当たって耳ざわりな音が響いた。
口角をあげ、床をにらみつける。
笑っちゃう。生まれはくつがえせない、なんて言われたら今まで何のためにがんばってきたのか分からない。
ただみんなと笑いたかった、だけなのに……。
床に誰かの影が現れる。誰だろうね。もう頭をあげる気力はなかった。
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ちづる(プロフ) - いきなりリプ失礼します。キャラクターたちの心情や常闇くんの優しさ、夢主ちゃんの考え方めちゃくちゃ好きだと思いました。続編が読みたいのが本心なのですが... (2021年5月10日 5時) (レス) id: 97693b4be7 (このIDを非表示/違反報告)
ホープローズ - 速報!本日は私、ホープローズの誕生日なのでヴィラン連合・プロヒーロー・ヒーローの卵達からの祝いの言葉を貰いたいです。お願いします。 (2019年8月23日 12時) (レス) id: 681e9ae1c6 (このIDを非表示/違反報告)
はづき(プロフ) - 常闇くん。常闇くん。ホントに好きです。大好きです。最高かよ( ˙-˙ ) (2019年7月31日 12時) (レス) id: 6ca8581b98 (このIDを非表示/違反報告)
アメジスト - んぱ(・-・)!← (2019年6月18日 22時) (レス) id: 779ef83f8c (このIDを非表示/違反報告)
響香(プロフ) - 常闇くんチョー好きです!これからも宜しくお願いします! (2019年6月12日 17時) (レス) id: b61ceed5ed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蔦虎 | 作成日時:2018年4月22日 0時