EP.03 ページ4
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私に触れる指は微かに震えていた。
「せやから……」
桜河さんはそれから言葉に詰まったように目を伏せる。
『桜河さん…？』
「あっ！Aちゃんだ！」
「アニキ、待ってよ！」
ひなたくんの声が聞こえた瞬間、彼の手は焦るように引かれた。
私も思わずそっぽを向いてしまう。
「な、なんや、ゆうたはんとひなたはんやんか。」
「あれれ、ふたりで何してたの？」
『う、うーん、散歩…？』
「はぁ、…急に走り出さないでよ。」
「仕事前の良い運動になったでしょ？」
あはは、と笑いながらゆうたくんの背中を叩くひなたくん。
ふたりのおかげで先程の気まずさは免れられたがまだ少しどきどきしていた。
そんな様子に気づいたのか、ひなたくんが私にそっと耳打ちする。
「お邪魔しちゃってごめんね…♪」
『っ、別にそんなんじゃないし…。』
「そんなこと言っちゃって、顔に出てるよ〜？」
『え？う、嘘…！？』
慌てて桜河さんに顔が見えないように顔を背ける。
すると、隣からくすくすという笑い声が聞こえてきた。
『もう、からかわんで…！』
「あはは、ほんとに表情がコロコロ変わってかわいいね〜♪」
「ちょ、アニキ、ダメでしょ…！」
慌てるゆうたくんに対してニコニコしているひなたくん。
呑気なひなたくんに呆れていると、不意に横から手を取られた。
「…ほんじゃ、わしらはそろそろ行くわ。
ぬしはんらも仕事頑張ってな。Aはん、行くで。」
『ええっ、お、桜河さん？！』
「ほーら、怒らせちゃった。」
「ええ？俺のせい？」
さっきから桜河さんの行動が読めない。
その行動ひとつひとつにどきどきしている自分もどうかと思うけど。
別に桜河さんの気持ちに気づかないほど鈍感じゃない。
ただ、他意のなさそうな純粋な行動に
気づけば惹かれているだけなんだ。
今もこうして手を握られて嬉しいと思っていたり
鼓動が高鳴っていくのも、恋ではなくて。
きっとそれに似た何かなんだと思う。
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名稀ーなきー(プロフ) - めっちゃキュンキュンさせてもらってますっ！！✨更新楽しみにしてます頑張ってください！！ (10月3日 16時) (
レス) id: f0b62b43ed (このIDを非表示/違反報告)
優ちゃ(プロフ) - 更新楽しみにしてます…！！ (2022年10月5日 11時) (レス) @page4 id: 7ae9922abe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さな | 作成日時：2022年9月10日 13時
