大好きな君からの手紙【オリジナル短編集】

俺の最愛の人へ ページ1

アカリへ


こうやって手紙を書くのは初めてだね。

まぁ……最初で最後の手紙が天国からって複雑だけど。

アカリ。俺は知っての通り、もう死ぬ。

いや、アカリが読んでる時はもう死んでるか。

初めて俺が病気の事を話した時、アカリは大泣きしながら「頑張って」って言ってくれたね。

生きてやれなくて、ごめんな。

でも、俺は本当に幸せだった。

お前はいつも笑って、手を優しく握りながら、

「大丈夫、大丈夫」って何度も言ってくれたよな。

泣きそうになるくらい安心したし、嬉しかった。

アカリが俺の事を好きになってくれたって事は、今でもとてつもなく嬉しい事で。

アカリがそばに居てくれて、

アカリが励ましてくれて、

俺は本当に幸せだった。

本当に大好きだった。

仕草も声も笑った顔も、なんでこんなに好きになれたんだろうって思うくらい好きだ。


手紙だから普段言えない事も言えるな。


俺に心配かけないように病室の前で頬叩いてから入るところも。

俺の手をギュッと握って、「大丈夫、私がいる」って言ってくれるところも。

副作用で苦しむ俺の背中を優しく撫でて「頑張って」って言ってくれるところも。

俺のために泣いてくれるところも。

思わず弱気になった俺を、ずっとずっと励ましてくれたところも。

余命宣告された俺を抱きしめてくれたところも。

何度も吐き出してしまう俺を見て、「なんでシュンなの」なんて呟いてしまうところも。


全部全部、大好きだ。

何度だって言いたい、愛してる。


優しさに溢れて、明るくて、俺をずっと支えてくれたお前が、ずっとずっと大好きだ。

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