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「自信？なんの自信だ？」
想定していた答えと違ったのか、不思議そうな炭治郎。なんだか、途端に彼にこの話に付き合わせるのが申し訳なくなった。そもそも彼はなんの用事だったのだろう、何故ここを通りがかったのだろう。屋敷からは近いが、さして立ち寄るような通りでもない。どこかへ行く途中だったのだろうか。
だとしたら、私のくだらない話に付き合わせている暇はない。
「そ、それより、炭治郎はどうしてここに？何か用事があったんでしょう？」
「ああ、アオイさんからお遣いを頼まれたんだ。そこまで急ぎじゃない。それで話の続きだが、Aはなんの自信をなくしたんだ？」
炭治郎のこういう無意識に圧をかけてくるところ、苦手だ。いや、私が人一倍人から向けられるものに対して敏感だからそう思うだけかもしれないけど、炭治郎の視線は痛いぐらいに真っ直ぐだ。一度とらえたもの以外は何も映さない程に真っ直ぐで、絶対に逸らしてはくれない。
炭治郎の綺麗な瞳に、ただ自分が映っていると思うと、消えたくなる
「......ぜんぶ」
「えっ？」
「全部。なんかもう、私って本当に、根暗だなぁって」
「......ねくら」
「そう、根暗。根っこが腐りきってるの。おまけにこんな幽霊みたいな顔で、なんかもう、何一ついいところがなくて、それにすごく気付かされちゃったの」
「なんでそんな風に思うんだ。Aは幽霊みたいなんかじゃない。いいところだって沢山ある」
「やめてよおやめて、優しい言葉かけられたら逆に泣きそうになる」
炭治郎は嘘をつかない。それを知っているからこそ刺さる。炭治郎が底抜けに優しいからそう思うだけなんだ。真に受けちゃいけない。
「いやもうなんか、友達も全然居ないし、一生独り身なんだよ私。絶対そう。絶対私には今後一切嫁の貰い手なんてないんだよ。ひねくれててねちっこい、根暗の私なんか」
堰を切ったように溢れ出した自分の負の感情を留めることが出来なかった。溢れたら溢れた分だけ炭治郎を不快にさせるのに。それが分かっているのに、聞いている方が嫌になってしまうような言葉を吐いてしまうのだ。
別に否定して欲しい訳じゃない。慰めが欲しい訳でもない。ただ、これが私の思うがままに吐き出した本心なのだ。
「違う、そんなことはない」
それでも優しい炭治郎は、私にこう言った
「それか、そんなに不安なら、......俺がAを貰ってもいいか？」
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さざんか(プロフ) - 外で思いだすだけでキュンキュンして泣きそうになります…素敵な作品をありがとうございます！新作アンケも失礼しました…！ (2020年11月14日 0時) (
レス) id: 20c7caba78 (このIDを非表示/違反報告)
碧 - 久しぶりに心から焦がれる素晴らしい作品に出会えて嬉しいです^ - ^本格的に冷え込む季節となりましたので、体調にはお気をつけてお過ごし下さいませ．更新を心待ちにしております (2020年11月13日 0時) (レス) id: e9e3f41ae9 (このIDを非表示/違反報告)
花帆 - 初めまして、めっちゃ面白いです！！すごくキュンとしますっ/// 炭治郎の態度の急変…切ないです(泣)続き気になりすぎます…！！続編も全集中で拝読したいです(*^▽^)/★*☆♪応援しております！！ (2020年11月11日 2時) (レス) id: aa0adc990d (このIDを非表示/違反報告)
楓 - 更新大変だと思いますが、とても楽しみにしています。これからも応援していますね。新作アンケート…冨岡さん好きなので、お願いしたいです。 (2020年11月7日 6時) (レス) id: 91f917202d (このIDを非表示/違反報告)
しろ(プロフ) - 久々にドキドキする話でした、、続き楽しみです！ (2020年11月6日 20時) (レス) id: f83c25335c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：子@さぶ
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/8ef4f72c271/
作成日時：2020年10月24日 12時
