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沖田side
溜まりに溜まったコイツの心の中にあったものが全て流れ出したように時雨は泣いて、全てを言葉にして吐き出した。このままではコイツ自信まで崩れ落ちてしまいそうで、咄嗟に俺はソイツのことを抱きしめていた。
「……別にどこも違いはしねェよ。ただちょっと人よりお人好しで、優しいただの女でさァ」
気づけば考えるより先に口が動いていた、と言い表すのが正しいのだろうか。
「てめェが特別ならそれは……」
首を傾げてこちらを見つめる時雨。なんだか今言うべきではない気がした。
「いんや、なんでもねェ。てめェの居場所がねーなら、俺が作ってやらァ。てめェが自分のために刀を振るえないなら、俺のために、生きて帰ってくるために刀を振るえばいいんでィ」
時雨はまた泣き出した。ほんとに泣き虫なやつでィ。
「安心しなせェ。俺たち真選組はそう簡単には死なねー。それに、死にそうになったら、時雨が助けてくれるんですよねィ?」
俺がニッと笑えば時雨はあの時のような、俺を一目惚れさせたあの時のような向日葵にも負けないくらいのキラキラした笑顔でニッと笑った。
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作者名:花遥 | 作成日時:2019年10月3日 22時