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#期待4 ページ5

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隣のベランダは誰も現れず数十分が経った。
待っていても彼はなかなか現れない。

パチンッだなんて乾いた音が小さく隣から聞こえた音から何があったのか何となく分かったから、私はここで待とうとしていた。


全然来ないから私がベランダの扉を開けようとした時、隣からベランダの扉が開かれる音がした。


「……付き合おうか。1本分ぐらい」
「…………」
「1人になりたいなら今の言葉はスルーして」
「……君の煙草、1本欲しい」


顔を見れば頬に紅葉が咲いていて「あーあ」と心の中で呟きながら煙草とライターを渡した。

私の煙草を欲しがるあたり今、彼は持っていないのだろうか。


イライラしたような顔つきで乱暴にライターの火をつける。

思い切り吸い込んで、これでもかと言うほどため息も混ざったような煙を吐いた。


「喧嘩ねぇ、お疲れさま」
「………異性の友人と歩いていたら浮気かと疑われて、煙草も吸っていたことがバレて隠し事してたのかと言われて叩かれた」
「女らしい彼女だね。女子らしい女子というか。泣いて出て行った?」
「うむ。俺の煙草を持ってって」


若いな。と話を聞いていて思いながら彼の疲れたような表情に同情していた。


「………君と話している時が1番楽だ」
「都合の良い女になるつもりはないけど」
「そういう意味じゃ無い」

 
「天然タラシ、そう言うこと言わない方がいい」


ははは、と笑いを浮かべて煉獄さんの方を見た。まるで彼は私を口説いているような口調で話しかける。



それに期待しないほど、私は女じゃないこともない。



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柚葉(プロフ) - 初めまして。大人の世界観が好きです。更新楽しみにしています!! (2021年10月18日 18時) (レス) @page8 id: 33c3d87eb8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:れもんのティー | 作者ホームページ:ありません  
作成日時:2021年10月11日 18時

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