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客席の人影がまばらになったところで、そろそろ外へ出ようかと席を立ったときだった。
「あの、」
はじめはその声が自分たちに向けられているものだなんて微塵も思わなかった。
「あの、すみません、、！」
もう一度発せられたその声にやっと、その言葉が自分たちに向けられたものだと理解する。
声のほうを見ると強張った表情でこちらを真っ直ぐ見つめる人の姿。
『塩顔のイケメンさんだなぁ』
それが翔太を見てのはじめての感想だった。
緊張した面持ちの翔太の後ろにはこれまた整った顔をした少しチャラついた男の人もこちらに視線を向けていた。
「えっと、？」
気づかないうちに何か失礼なことをしてしまったのだろうか。
思い当たる節を必死に探し出すが、それは見つかることはなかった。
互いにどうしたらいいかと戸惑っていると、塩顔さんの後ろにいたチャラついた人が「翔太言えよ、」とせっついた。
「あの、舞台中、ずっと気になってて。それであの、もう会えないかもしれないって思って」
途切れ途切れに紡がれるその言葉になぜだか胸の奥がざわついた。
私より大きいはずなのになんだか放っておけなくなるそんな彼の姿に心が揺れる。
「連絡先教えてもらえませんか」
まっすぐにこちらに向けられた彼の視線から私は目をそらすことが出来なかった。
こういうときどう反応したら、と隣にいる美織のほうを慌てて見ると「Jrの渡辺くんっていう人。こんなチャンスないんだし交換すれば？」と耳打ちされる。
Jrの人なのか、と目の前の塩顔さんもとい渡辺さんを見つめ返す。
本当に私なんかでいいのだろうか。
渡辺さんが何を考えているのか分からぬまま。
私なんかでいいのだろうか。
連絡先なんて聞いていいものなのか。
そんな思いを巡らせながらやっと出た言葉は「いいんですか？」という間抜けなものだった。
私が答え終わるか終わらないかのところで、渡辺さんは「いいんです！」とびっくりするくらい大きな声で返事をした。
お互いにびっくりした表情をしたあと、どちらかともなく笑う。
連絡先を交換して、「じゃあ」と別れた。
別れたあとで、美織が興奮気味に「Aすごいじゃん！！」と大喜びをしていたのを今でも覚えている。
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さーや(プロフ) - いちごみるくさん» あぁもうすごくわかる―！フラフラしててもちゃんと戻ってくるしょぴの安心感・・・ (2020年2月12日 12時) (
レス) id: 631bd59892 (このIDを非表示/違反報告)
さーや(プロフ) - ひよさん» めめ報われて欲しいですよねぇ・・・なんか書いててめめが可愛くて仕方なくて。しょぴ落ち・めめ落ち両方作りたいと思っています・・・！ (2020年2月12日 12時) (レス) id: 631bd59892 (このIDを非表示/違反報告)
さーや(プロフ) - ;_;)/さん» コメありがとうございます！しょぴ幸せになって欲しい方多いですね〜書いてる私もしょぴ幸せになれ、と思ったりなんだり。笑 どちらの結末も書こうと思っているので、長くなりますがお付き合いいただければ嬉しいです〜 (2020年2月12日 12時) (レス) id: 631bd59892 (このIDを非表示/違反報告)
さーや(プロフ) - 覇瑠さん» コメありがとうございます！ブロックするところ、上手く伝わったかな〜と不安だったのでそう言っていただけて嬉しいです。個人的に2人とも幸せにしたいので、しょぴ落ち・めめ落ち両方作りたいと考えてます・・・！ (2020年2月12日 12時) (レス) id: 631bd59892 (このIDを非表示/違反報告)
さーや(プロフ) - てゃんさん» コメありがとうございます！ほんと2人とも幸せになって欲しいですよね…書きながら、心苦しくなります。笑 ちょくちょく更新していくのでまた見てください！ (2020年2月12日 12時) (レス) id: 631bd59892 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さーや
| 作成日時：2020年2月8日 11時
