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Ren side
「誰なの、あの大人の余裕振りまいてる人。すっげぇ嬉しそうな顔してたじゃん、Aさん」
俺といるときには見せないもっと自然な表情のAさんが頭に浮かぶ。
そんな表情、他の人になんて見せて欲しくないのに。
俺だけにいろんなAさんのことを見せて欲しいのに。
あの場面を思い出せば出すほど、悔しくなって、自分が惨めに思えてくる。
気付けば、棘のある言い方になっていて、自分の子どもの部分が露呈する。
「…あれ、お兄だよ？」
「…は？お兄…？」
Aさんの口から出た言葉の意味がすぐには理解出来ず、口に出す。
お兄って、お兄さんのこと？
「そう。私のお兄ちゃん。7個上」
「さっきスーパーからも一緒に出てきたじゃん、すっげぇ笑顔で」
さりげなくAさんの持つスーパーの袋を持つスーツの男の人の姿がすぐに頭の中に浮かぶ。
スマートに優しく気配りの出来る大人の男、って感じの振る舞いになんだか無性に腹が立ったことを思い出す。
「お兄の買い物付き合ったから、私も買い出し付き合ってもらったの」
Aさんの話を聞くと、ちょうど調味料が一斉になくなり、一度に買うと重いからお兄さんに手伝ってもらったというのだった。
そして、スーパーの袋をお兄さんがすぐに持つのは、付き合っている彼女にそうしろ、と教育された賜物なんだそう。
「…なに、それ」
俺ってすっげぇアホじゃんって、なんだか自分自身に呆れて笑いが零れる。
Aさんより年下だから、って別にこれまで引け目に感じてきたことはなかったし、それで焦ることもなかった。
けれど、今日Aさんがスーツをきっちり着こなしたお兄さんと並んで歩く姿を見て、俺と一緒にいるより、きちんとした人といたほうがいいんじゃないか、っていう気持ちになった。
いつの間にか無意識のうちに自分の中で“年下だから”という気持ちが芽生えていたのかもしれない。
「…もしかして、目黒くん、ヤキモチ妬いたの？」
Aさんは少し口元を緩めながら、俺の頭をそっと撫でる。
ほら、またそうやって子ども扱いする。
「ちがうし、」
勘違いして勝手に嫉妬して。
恥ずかしくて、ここに穴があったら隠れてしまいたい。
Aさんは、必死に否定する俺を見て、「ふーん」とだけ言った。
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さーや(プロフ) - なぎぷちょへんざーさん» 聞きました！月が綺麗ですね、の意味をめめが知ってて衝撃だったんですが？！笑 壁に穴開けよ、がもうめめ過ぎて笑いましたw (2020年4月3日 7時) (
レス) id: 6178770b80 (このIDを非表示/違反報告)
なぎぷちょへんざー(プロフ) - この小説お気に入りです！素のまんま聞かれました？お便りの内容を聞いた瞬間この小説を思い出しました、笑 (2020年4月2日 22時) (レス) id: 831076a685 (このIDを非表示/違反報告)
さーや(プロフ) - 夢さん» コメありがとうございます！どういうお話の展開にするか悩んでいたのでそう言っていただけで嬉しいです…！ありがとうございます！ (2020年3月23日 20時) (レス) id: 6178770b80 (このIDを非表示/違反報告)
さーや(プロフ) - たぴおかさん» アーカイブでひーくんチュロス見ましたがあれはたしかにやばい…！！うどんで盛り上がるスノちゃんたちが可愛すぎました…！ (2020年3月23日 20時) (レス) id: 6178770b80 (このIDを非表示/違反報告)
夢(プロフ) - 初めまして。コメント失礼します。今まで色んな作品を拝見してきたのですが、久しぶりにここまで展開が気になり夢中になって最後まで読んじゃいました。とても素敵な作品でした！ (2020年3月22日 21時) (レス) id: 97d80eb079 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さーや
| 作成日時：2020年3月9日 17時
