気付け、バカ ページ39
Ren side
「なぁ、あのお隣さんと最近どうなん？」
楽屋でスマホをいじっていると、背中にずっしりとした重みを感じる。俺の肩に顎を乗せカクカクとわざとらしく顎を動かしながら康二がそんな風に聞いてくる。
「どうなんって、別になんもないけど」
「めぐきゅんあのお隣さんのこと好きなんやろ？」
「めぐきゅんって久々に聞いたけど、よくよく考えるとキモくない？」
肩に乗せられた康二の顔をぐいっと手で押して退かそうとするが、康二はそれに抵抗するように俺の手に顔をぐいぐいと押し付けてくる。
体を横にずらそうとするとその動きも阻止され、「誤魔化すな。答えるまではここから退かんからな」とさらに体重を乗せられる。
「で、結局どうなんよ。好きなん？」
「それ康二に言う必要ある？」
「俺は恋バナしたいねん！こうキュン、ってするやつが！したい！」
「残念、俺はしたくない」
「ケチ！めぐきゅんのケチ！」
もうえぇもん、と康二は言うと、俺の背中から降り「ふっかさーん！」と少し離れたところにいるふっかさんのところへと走っていった。
急激に軽くなった背中がなんだか寂しく感じるが、それを康二に言えばまたずっと付きまとわれることになるから言わないでおく。
止まっていたスマホをいじる手を再び動かし始めるが、頭の隅で康二の「お隣さんのこと好きなんやろ？」という言葉が浮かんでは消えていく。
この感情は好き、というものなのだろうか。
なんとなく最初に引っ越しの挨拶をしたときから気にはなっていた。
隣の人が嫌な人だったらやだなぁと思いながら行った挨拶で、思いのほか可愛らしい女性がそこにはいて正直に言えばラッキーだと思った。
なんだかんだと気づけば、理由をつけて構いたくなる存在で、時々夜中にベランダで一人夜風に当たりながらビールを呑んでいることを知ったときは、あくまで自然にタバコのついで、という感じでその時間に入り込んだりもした。
冗談っぽく「好きな子には蓮って呼ばれたい」とか「お隣さんのこと結構気に入ってる」とか言ってはいるけれどそれをどうも本気には捉えられていない。まぁ俺が冗談っぽく言っているのが悪いんだけど。
でもこんなにも意識してもらえないって、なんか逆に虚しくなる。少しくらい俺でドキドキしてくれたっていいのに。
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さーや(プロフ) - mikantoamechanさん» こちらこそ読んでいただきありがとうございます！付き合ってからのお話書きたいですね〜付き合ってからも振り回したいし振り回されたい！笑 (2020年3月5日 10時) (
レス) id: 6178770b80 (このIDを非表示/違反報告)
さーや(プロフ) - xxpanxxさん» ありがとうございますー！イベント毎のお話いいですね、書きたい！ (2020年3月5日 10時) (レス) id: 6178770b80 (このIDを非表示/違反報告)
さーや(プロフ) - くりさん» いつも書き方迷ってしまうのでそう言っていただけて嬉しいです。続きますかね？のんびり書きましょうかね。 (2020年3月5日 10時) (レス) id: 6178770b80 (このIDを非表示/違反報告)
mikantoamechan(プロフ) - めっちゃ面白かったです！素敵な物語本当ありがとうございました！更新がいつも楽しみでした！非常に厚かましいですが、付き合ってからの続編（できれば長編）を希望します！！ (2020年3月5日 3時) (レス) id: a1d9c0f6b4 (このIDを非表示/違反報告)
xxpanxx(プロフ) - 凄いおもしろくてきゅんとしてました！イベント毎の続きのお話あれば嬉しいです！ (2020年3月5日 2時) (レス) id: d7347442ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さーや
| 作成日時：2020年2月18日 15時
