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「お前、何してんの」
髪に触れていた佐久間さんの温かい手が引き剥がされるのと同時に聞き慣れた声がした。
その声の先を辿るように振り返るとそこには不機嫌そうな顔をした深澤さんが立っていた。
「えー、佐久間さんのお悩み相談室開催してただけよ〜？？」
ねぇ？ってこちらに笑顔を向ける佐久間さんとその横には怖い顔した深澤さんの視線が同時にこちらに向く。
「んな、怖い顔すんなよ〜ふっか」
「そうです、そうです。ちょっとお話聞いてもらってただけで」
「ふーん？じゃあこの手もその佐久間さんお悩み相談室の一貫なのかな？」
つまみ上げられた佐久間さんの手を深澤さんがユラユラと揺らす。
「えーヤキモチ？たっちゃん♡」
「うっせぇわ。っていうかたっちゃん言うな」
深澤さんが佐久間さんの手を掴む力を強めたらしく、佐久間さんの「痛え！ギブ！ギブ！」って大きな声が店に響く。
そんな佐久間さんを見て深澤さんは「大袈裟すぎんだろお前！」なんて笑ってる。
「佐久間、仕事終わったんだったらさっさと帰れよ」
「かわいい子ちゃんと飲んで仕事の疲れを癒してんの！」
「お前、嫁が家で待ってんだろ」
「そぉだけどぉー、嫁たちも大事だけどぉーー、でも俺だってAちゃんと飲みたいよーー」
「ダメ、早く帰れ」
「くそ、この猫背！細目！ゲーム野郎！むっつり！」
小学生みたいな悪口を言う佐久間さんとそんなのどの吹く風の深澤さん。
っていうかむっつりって。
「ごめんね、このおじさん怖いから、今日は佐久間さんのお悩み相談室これでお開きね」
「またいつでも聞くから！」って佐久間さんはそう言うとひらり、と手を振って店を後にした。
「ごめんなさい、お邪魔しちゃって」
「あ、いえ、そんな。でも佐久間さん良かったのかな」
「アイツのことはいいですよ、どうでも」
「お嫁さん待ってるし？」
「そうそう、嫁ね」
くふふ、って笑う深澤さんに首を傾げれば「あいつアニメオタクなの」と。
「あ、嫁ってそういう？」
「そういうこと。Aさんほんとに結婚してると思ったでしょ？」
「意外って思っちゃってました」
「意外は失礼じゃ？まぁ佐久間ならそう思うか〜あ、Aさんもう帰ります？」
「あ、そうですね」
「じゃあ送っていきますよ」
当たり前のようにそう言う深澤さんにドキリ、とする。
私に向けられるその優しさは、どういう意味を持つのだろうか。
知りたいけど、知りたくない。
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さーや(プロフ) - 優希さん» すみません💦教えていただきありがとうございます。修正しました。 (2021年10月30日 4時) (
レス) id: 4b2ff4c864 (このIDを非表示/違反報告)
優希(プロフ) - 28ページが原石のときのまま森本くんの名前が出てしまってます💦 (2021年10月29日 21時) (レス) @page28 id: 4434fac4a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さーや
| 作成日時：2021年10月26日 21時
