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いつもと同じ、家へと続く道。
でも、今日は隣に深澤さんがいる。それだけなのに、見慣れた景色はいつもと全く違って見えるから不思議だ。
互いのことを話しながら一歩、また一歩、家に近づいていく。
サラリーマンをしていること。
就職を一人暮らしを始めたこと。
料理が苦手で、それもあって佐久間さんの店によく行くこと。
ゲームが好きなこと。
名前しか知らなかった深澤さんにどんどんと肉付けされて、新しい深澤さんが見えてくる。
ゆっくり丁寧に、でも時々乱暴な言葉遣いで話す深澤さんの喋り方と少し低く響く声がとても心地いい。
「こっちってこんな風になってたんですね」
5年も住んでるのに全然知らなかった、なんて深澤さんが街並みを眺めながら笑う。
「俺、目的もなく歩くのとか好きなんですけど、こっち側はそういえば来たことなかったな」
「こっち側は思いっきり住宅街ですからね」
「向こう側とは全然違いますね、なんか流れてる空気も違う気がする」
「同じ駅なのに？」
そんなに違うかな、なんて面白くなって笑ったら深澤さんは少しだけ不満そうな顔。
この人、意外と表情豊かなんだな、なんて気付くとそれだけで少しだけ嬉しくなる。
その感情がどういう種類のものなのかは分からないけど、でも深澤さんのことをもっと知りたい、とそうなんとなく思った。
深澤さんと歩いていたら、いつもは長く感じる家までの道もあっという間だった。
それを素直に言えたらいいのに、なんとなく気恥ずかしくて言えないのは、まだ深澤さんと出会ったばかりだからなのだろうか。
「あ、家、そこなので」なんて誤魔化すように足を止めると、深澤さんが「ん」と視線をこちらに向けた。
「わざわざありがとうございました」
「いーえ、俺がワガママ言っただけだし」
こちらこそ付き合ってくれてありがとう、って深澤さんが笑う。
深澤さんのそんな小さな優しさに少しだけ、ほんの少しだけ胸の奥の方が苦しくなる感覚。
「じゃあまた」
深澤さんはそう言って手を振り、私を見送ろうとする。
その姿を見たら、また胸の奥がひとつ苦しくなって。
なかなか動こうとしない私に深澤さんが首を傾げ、「どうしました？」って顔を覗き込んでくる。
ふわり、と香る少しだけ甘い香りは、香水か、それとも柔軟剤か。
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さーや(プロフ) - 優希さん» すみません💦教えていただきありがとうございます。修正しました。 (2021年10月30日 4時) (
レス) id: 4b2ff4c864 (このIDを非表示/違反報告)
優希(プロフ) - 28ページが原石のときのまま森本くんの名前が出てしまってます💦 (2021年10月29日 21時) (レス) @page28 id: 4434fac4a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さーや
| 作成日時：2021年10月26日 21時
