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「せんぱーい？おーい！せんぱーい！」
部活の時間。
今日は筋トレを中心にトレーニングをする日。
今は、校舎の周りを10周するというほんと先が見えないくらいに嫌になるメニューの真っ最中。
いつもなら、ストップウォッチを持ちながら「あと5周ー！ファイトー！」なんて部員に檄を飛ばすA先輩が、今日はどこか上の空。
練習中だけど、そんなA先輩のことが気になって思わず走る足を止め、A先輩に声をかける。
僕が何度も声を掛けてもA先輩はうんともすんとも言わない。
「ねぇ、先輩？」
そう言ってポン、と肩に手を置いた瞬間「ひゃっ！」という声とともにA先輩が僕のほうに視線を向けた。
「先輩？」
「ラウ、ちゃん」
「先輩ぼーっとしてるけど、大丈夫？どっか具合悪い？」
A先輩の顔を覗き込むと、先輩は僕からすぐに目を反らし「大丈夫」とだけ言った。
「ほんと？」
「うん、」
「ほんとにほんと？」
「ほんとに、ほん、と」
僕の問いにどんどんと途切れ途切れになっていくA先輩の言葉。
そして、その言葉は小さく震えていく。
「え、ちょっと待って、え」
A先輩の頬に涙が伝う。
その涙に動揺する僕に、A先輩は「大丈夫だから、ごめん」と無理矢理笑う。
そんな悲しい顔して笑わないでよ、
泣きながら無理矢理笑顔を作るA先輩の姿に胸の奥底がズキン、と痛んだ。
「ねぇ、大丈夫じゃないよ、それ」
このままここにいたら他の部員に見られちゃう、と先輩の手を引き、人目のつかないところへと移動する。
校舎の陰の木の下。
ここならあまり人も来ないし、周りからも見えにくい。
「A先輩どうしたの？」
頬を伝う涙を手で拭うA先輩にそう問うと、ふるふると首を横に振る。
こんな風にA先輩が泣くことなんて今までなかった。そりゃ後輩の僕なんかに見せる涙なんかないのかもしれないけれど。
それでもこの涙が、何か重大な意味を持つことくらいすぐに分かった。
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さーや(プロフ) - 真白さん» 感想ってなかなか書くの大変ですよね。真白さんからのコメントいつも素敵な表現をされるなぁ〜と嬉しく読んでます！阿部ちゃんのお話、形が見えたら必ず出すので、気長に待っていただければ・・・！ (2020年3月30日 17時) (
レス) id: 4528227f28 (このIDを非表示/違反報告)
真白 - 自分でお話書けたらいいんですけど、何せ語彙力が無いもので…。他のお話とかも、いつも読んでて感想書こう！って思うんですけど、うまく言葉が出てこなくて(苦笑 さーやさんが温めてる阿部ちゃんのお話、いつか読めたら嬉しいです。いつも応援してます。 (2020年3月29日 22時) (レス) id: 3330f0b21b (このIDを非表示/違反報告)
さーや(プロフ) - 真白さん» 真白さんーーもうコメ見て嬉しくて嬉しくてどうしようって感じなのですが…！それぞれのメンバーの感じ上手く出せたらいいなと思ってたので嬉しいです。 自重なんてしなくていいのに…！阿部ちゃんのお話、実は今ちょっと考えてるものがあるのでいつか出せたらいいな (2020年3月29日 17時) (レス) id: 6178770b80 (このIDを非表示/違反報告)
真白 - 阿部ちゃんは、ぐいぐいアピールしたりはしないけど、ここぞという所でさらっと爆弾投げて来る感じが、イメージにハマってて、凄くときめきました。館様の、穏やかそうに見えて、ロマンチックだけど直接的な表現で気持ち伝えてくるところも、らしいなぁと。 (2020年3月29日 11時) (レス) id: 3330f0b21b (このIDを非表示/違反報告)
真白 - どのストーリーも、甘酸っぱくて、キュンキュンして、でもどこか懐かしいような…。いや、自分はこんな青春送ってないんですけど(笑 阿部担なので、ずっとさーやさんに書いて欲しくて、でもリクエストして困らせてしまったらと自重してたので、嬉しかったです。 (2020年3月29日 11時) (レス) id: 3330f0b21b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さーや
| 作成日時：2020年3月28日 14時
